Linux FoundationがCore Infrastructure Initiativeの下、OpenSSLのフルタイム開発者2人を支援

 Linux開発を推進する非営利団体Linux Foundationは5月29日、OpenSSLの脆弱性問題を受けて立ち上げた「Core Infrastructure Initiative」の最初のプロジェクトを発表した。新たに支援企業として米Adobe Systemsら5社が加わったことも発表した。

 Core Infrastructure Initiative(CII)はLinux Foundationが4月末に立ち上げた新イニシアティブ。4月に発見され大きな話題となったOpenSSLの「Heartbleed」と呼ばれる脆弱性問題を受けて発足させたもので、重要なインフラの開発に対し共同で資金面での支援を行うことを目的としている。これにより、主要な開発者がフルタイムで開発に集中できたり、セキュリティ監査、テストインフラなどを行えるようにしていくという。発表時、創業メンバーとして米Amazon Web Services(AWS)、米Cisco Systems、米Dell、米Facebook、富士通、米Google、米IBM、米Intel、米Microsoft、米NetApp、米Rackspace、米VMwareの12社が名を連ねていた。

 重要度の高いオープンソースプロジェクトのレビューを行った結果、運営委員会はNetwork Time Protocol(NTP)、OpenSSH、OpenSSLの3技術に資金を提供することを決定した。中でも、OpenSSLについては、コア開発者2人がフルタイムで作業できるのに十分な資金を用意するという。また、OpenSSLのコードベースのセキュリティ監査のためにOpen Crypto Audit Project(OCAP)にも資金提供を行うという。

 CIIについては、新たに創業メンバーとして、Adobe、米Bloomberg、中国Huawei Technologies、米Salesforce.comの5社が加わったことも発表している。また、コミュニティの意見などをまとめて助言を行うアドバイザーボードとして、暗号化の専門家Bruce Schneier氏、Linuxカーネル開発のTed T’so氏、Alan Cox氏、オープンソースと法に明るいEben Moglen氏ら7人が選ばれた。

Linux Foundation
http://www.linuxfoundation.org/