サーバー間共有機能が加わった「ownCloud 7」

 ownCloudコミュニティは7月23日、オープンソースのファイル共有・同期ソフトウェア「ownCloud 7 Community Edition」をリリースした。異なるサーバー上のownCloudインスタンスとのファイル共有を可能にするサーバー間共有機能が追加されたほか。スマートフォンやタブレットといったモバイル端末のWebブラウザからのアクセスも容易になっている。

 ownCloudは、WebブラウザやWebDAVクライアントを利用してアクセスできるオンラインストレージサービスを提供するソフトウェア。ファイルのほか、アドレス帳、スケジュール、ブックマークなどの同期も可能。2010年にKDEコミュニティから生まれたプロジェクトで、Dropboxの置き換えを目指す。バージョン7は2013年12月に公開したownCloud 6に続くメジャーリリースで、8か月の開発工期を経ての最新版となる。

 ownCloud 7での新機能として、Server-to-Server Sharingとよばれる共有機能が搭載された。別のサーバー上のownCloudで管理されているファイルを共有できるというもので、共有しているファイルは単一の「Shared」フォルダで管理でき、Filesアプリを利用して誰と共有しているのかなどを把握できるという。管理者は、特定のユーザーグループの共有を無効にするなどの細かな設定が可能。

 また、Webブラウザ上のファイルビューで「自分が共有したファイル」などの条件でのフィルタリングが可能となったほか、共有ファイルの所有者が表示されるようになった。ファイルやフォルダの作成、共有、変更、削除を知らせる通知をアクティビティストリームや電子メールで行う機能も導入されている。レスポンスの高速化を含むユーザーインターフェイスの改善も行われている。

 モバイルWebブラウザのサポートも実現した。すでにiOSやAndroid向けのアプリは提供されているが、ネイティブのモバイルアプリを利用することなくWebブラウザでのアクセスが可能になった。これにより、ownCloudのモバイルアプリのないWindows PhoneやBlackBerryからの利用も容易になる。

 管理者機能も強化し、ユーザー管理機能を一新した。同一ウィンドウ内ですべてのユーザーを表示し、グループ別にユーザーリストを表示したり、テキストフィルタ機能を利用して名前の検索も可能という。共有管理も大幅に合理化し、管理機能も拡充した。

 ストレージ側では、OpenStackのブロックストレージSwift APIベースのオブジェクトストアをプライマリストレージとして利用できるようになった。管理者はローカルストレージ、ネットワークファイルシステム(NFS)マウント、Swiftオブジェクトストアの3つの選択肢から最適なオプションを選択できるという。外部ストレージサービスとしては、FTP、Dropbox、Google Drive、sFTP、Swift、Amazon E3、WebDAV、SMB/CIFSなどを追加できるようになった。

 ownCloud 7はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

ownCloud
http://owncloud.org/