OpenGLサポートを強化した「GStreamer 1.4.0」がリリース

 GStreamerチームは7月21日、オープンソースのマルチメディアフレームワーク「GStreamer 1.4.0」をリリースした。新しいAPIが多数加わり、OpenGLとの統合も強化した。

 GStreamerはストリーミング、メディア再生などのメディア処理コンポーネントを提供するライブラリ。Ogg/Vorbis形式のファイルの再生、オーディオミキシング、動画のノンリニア編集などが可能。マルチプラットフォームサポートや包括的なコアライブラリ、プラグインアーキテクチャなどの特徴を持つ。C言語で実装されており、ライセンスはLGPL。

 GStreamer 1.4.0は1.4系で初のリリースとなる。1.0系と1.2系に新機能を加えており、APIとABIは1.0系、1.2系、それに将来登場するバージョンと互換性があるという。

 APIでは、GstPropertyProbeに代わってGstDeviceMonitorが加わった。利用できるオーディオ/ビデオキャプチャ機器をリスト表示するデバイスプローブ機能となる。TiledとRaw動画フォーマットに対応し、コーデックユーティリティとコーデックパーサーライブラリでH.265/HEVCとVP8のサポートが加わった。gst-plugins-glからgst-plugins-badにGLライブラリをマージし、GStreamerパイプラインと一部プラグイン内でGLの処理を行う汎用インフラを整備した。eglglessinkを置き換えるものとなり、将来的にosxvideosinkに代わるものになるとしている。

 このほかにも、RTP時間情報にアクセスできるAPIを導入、GetDiscovererでは不足しているプラグインとプラグインインストーラーの情報を伝えるAPIなど、多数の機能が加わった。

 プラグイン側では、V4L2(Video 4 Linux 2)を利用する場合にプラットフォーム上でハードウェアコーデックにアクセスするための機能である「v4l2videodec」が加わった。また、queue2のダウンロードバッファ機能に代わって新たにdownloadbufferエレメントが加わった。Kinectのような3Dカメラ向けのOpenNI2プラグイン、HDR(高ダイナミックレンジ)EXRイメージのデコードのためのOpenEXRプラグインなども加わった。

 openjpegではOpenJPEG 2 APIサポートが加わったほか、tsdemuxとtsparseの強化、dvbsrcでサポートする配信メカニズムの拡充なども行われている。

 GStreamerはAndroid、iOS、Mac OS X、Windows向けのバイナリはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

GStreamer
http://gstreamer.freedesktop.org/