Linux Foundation、車載システム向けLinux「Automotive Grade Linux」を初公開
Linuxを推進する非営利団体Linux Foundationは6月30日、傘下のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)が車載システム向けLinuxソフトウェアスタックを公開したことを発表した。自動車メーカーなどはこれを利用して、共通の基盤をベースにカスタマイズしたユーザー体験を構築できるという。
Automotive Grade Linux(AGL)は、インターネットに接続した車載システム向けの共通基盤を開発するプロジェクト。Linuxをベースに車載システムに必要な技術を取り込んだソフトウェアスタックをオープンソースとして公開するもので、参加企業はこれを利用してシステムを構築できる。同プロジェクトにはトヨタ自動車、日産自動車、Jaguar Land Rover、Hyundaiなどの自動車メーカーをはじめ、ルネサス エレクトロニクス、富士通、NEC、デンソーなど約30社が参加している。
同日東京で開催されたイベント「Automotive Linux Summit Japan 2014」で発表された。同じくLinux FoundationのプロジェクトであるTizenの車載インフォテイメント(IVI)スタック「Tizen IVI」をベースにHTML5/JavaScriptで開発した主要な機能を統合し、単一のオープンソースリファレンスプラットフォームを構築している。ホーム画面、ダッシュボード、Google Maps(ナビゲーション)、空調(HVAC)、メディアプレイヤー、スライド式のニュースリーダー、オーディオ制御などの機能コンポーネントを備え、Bluetoothを利用してスマートフォンと接続できる。各コンポーネントにはDRD(設計要件書)、事例、HMIフロー、画像、アーキテクチャ図などが用意される。
メーカーらはこれをベースに、独自のユーザーインターフェイスやユーザー体験を構築できる。共通基盤を利用することで開発工期を短縮でき、コストも削減できるという。
Linux Foundation
http://www.linuxfoundation.org/
Automotive Linux Foundation
http://automotive.linuxfoundation.org/