米Red Hatがオープンソース分散ストレージCephベンダーの米Inktankを買収へ

 米Red Hatは4月30日(米国時間)、オープンソースの分散ストレージソフトウェア「Ceph」のベンダーである米Inktankを買収することで合意したことを発表した。買収金額は1億7500万ドルで、これによりソフトウェア定義ストレージのリーダーに立つとしている。

 Cephはオープンソースのソフトウェア定義ストレージシステム(ソフトウェアベースで柔軟に構成を変更できるストレージシステム)で、オブジェクト/ブロックストレージ、ファイルシステムなどの要素を備える。一般的なハードウェア上で利用でき、拡張性の高いストレージシステムを構築できるなどの特徴を持つ。

 InktankはCephを開発したSage Weil氏が創業したベンチャー企業で、Weil氏は現在CTOを務めている。Cisco Systems、欧州原子核研究機構(CERN)などを顧客に持つという。

 Red Hatは分散ファイルシステムのGlusterFSを持つが、Inktank買収によってソフトウェア定義ストレージを主導すると狙いを説明している。CephのWeil氏は、Red Hat傘下となることでカーネルを含めすべてのレイヤーにおける問題への対応を改善できると今後の展望を語っている。Cephは今後もオープンソースソフトウェアとして存続し、LinuxおよびLinux以外のOSに対応するマルチプラットフォームプロジェクトとして開発を進めるとしている。

 買収後、Inktankがアドオンとして提供してきたプロプライエタリのモニタリング・診断ツール「Calamari」はオープンソースとして公開する予定も明かしている。

Ceph
http://ceph.com/

米Red Hat
http://www.redhat.com/

米Inktank
http://www.inktank.com/