クライアント/サーバー型ソフトウェア向けのテスト支援ツール「Cwrap 1.0」

 単一のマシン上でクライアント/サーバー構成を取るソフトウェアのテスト支援ツール「cwrap 1.0」が公開された。隔離されたネットワーク環境を作成することで、仮想化を利用することなく同一ホスト上でのテスト実行環境を構築するもの。すでにSambaやlibsshなどの開発で利用されているという。

 cwrapの開発者であるAndreas Schneider氏が2月2日に発表した。cwrapはSambaプロジェクトから生まれたデバッグ支援ツールで、libcに含まれるソケット関連機能などをラップすることでデバッグの支援を行うもの。アカウント情報、ホスト名解決、特権分離などの機能を持ち、これを利用して同一マシンでソフトウェアスタックの複数インスタンスを動かし、仮想化技術などを利用せずに複雑なネットワーク設定の機能テストなどを行うことができる。Linuxおよび各種BSD、Solarisで動作する。

 cwrapはIP v4/v6に対応し、UNIXソケット上のすべてのネットワーク通信をリダイレクトするソケットラッパーの「socket_wrapper」、ユーザーおよびグループアカウント情報の提供やネットワーク名解決、NSSモジュールの読み込みとテストを行う「nss_wrapper」、glibcシステムコールなどを利用してローカルスレッドでユーザーとグループの変更をサポートする「uid_wrapper」の3種類のライブラリで構成される。

 開発チームは2月4日には不具合を修正した「cwrap 1.0.1」を公開している。

Cwrap
http://cwrap.org/