「jQuery 2.1」および「jQuery 1.11」リリース、モジュール機構を強化

 JavaScriptライブラリのjQuery開発チームは1月24日、jQuery 2系の最新版となる「jQuery 2.1」と、1系の最新版となる「jQuery 1.11」をリリースした。非同期モジュール仕様「AMD(Asynchronous Module Definition)」のサポートを拡大するなど機能強化を図るとともに、npmやBowerといったパッケージマネージャ経由でも入手できるようになった。

 jQueryは2013年4月に公開したバージョン2.0で「Internet Explorer(IE) 8」以前(IE 6/7/8)のサポートを打ち切った。この変更に合わせ、IE 6/7/8をサポートし、2.0とAPI互換のある1系と、2系を平行してリリースしている。なお、2系は古いWebブラウザのサポートを打ち切る一方で、Node.jsやChoromeおよびFirefoxのブラウザプラグインによる開発支援などをサポートする。2013年4月にバージョン2.0をリリースした後、5月に2.0.1と1.10をリリースしており、今回の2.1と1.11リリースはそれに続く最新版。

 共通の機能強化として、バージョン1.7でサポートされた非同期モジュール仕様AMD(Asynchronous Module Definition)のサポートが強化され、AMDモジュールでも利用できるようになった。AMDはJavaScriptモジュール向けのAPIで、遅延あるいは非同期での読み込みより性能改善が見込める。今回モジュールでの利用が可能となったことで、より小さなライブラリサブセットを容易に構築できるという。

 性能面ではレイアウト処理を改善し、Webブラウザが強制的に時間のかかるレイアウト処理を実行する問題を削減した。これにより一部のページで性能が大きく改善するという。また、これまではjQueryの読み込み時にすべてのコードがロードされていたが、必要に応じてコードをロードして実行する形に変更された。特にモバイルでページの読み込みを大きく改善できるという。

 なお、本バージョンではミニファイ済み(minified)のファイルからデバック時に有用なソースコード情報を格納する「sourcemap(ソースマップ)」が削除されている。sourcemapは単体で配布されており、開発支援ツールなどで読み込ませるか、もしくは手動でミニファイ済みソースコードの末尾にコメントを追加することで利用できる。また、カスタムビルドプロセスを利用して独自のjQueryファイルを生成している場合は従来通りsourcemapがミニファイ済みファイルに含まれるとのこと。

 そのほか、内部でのパッケージ管理として米Twitterが中心となって開発している「Bower」を使うようになった。これによりビルドにBowerが必須となったが、CDNに加えてBowerでもjQueryを入手できるようになっている。Node.js向けパッケージマネージャのnpm経由での入手も可能となった。

The jQuery Foundation
http://jquery.org/