Wayland/QtベースのLinuxデスクトップ環境「Hawaii 0.2.0」がリリース

 Linuxディストリビューション「Maui」を開発するThe Maui Projectは12月24日、WaylandとQtをベースとしたデスクトップ環境「Hawaii 0.2.0」をリリースした。現在プレアルファ段階であるMauiに含まれているほか、ソースコードが公開されており、ほかのディストリビューション上でもコンパイルして利用できる。

 Maui Projectの開発するMauiは、QtQuick、Wayland、Systemdなどを活用し、使いやすさやレスポンシブデザインなどを特徴とする新しいLinuxディストリビューション。イタリア人開発者Pier Luigi Fiorini氏が2011年末に立ち上げたプロジェクトで、まだ安定版ではない。

 HawaiiはMauiから派生したグラフィカルなデスクトップ環境となり、ディスプレイサーバーWaylandとそのリファレンス実装のWeston、Qtを組み合わせ、独自のWaylandコンポジタ「Green Island」を持つ。バージョン0.2ではWayland/Westonは1.3に、Qtは5.2になった。

 シェルはランチャ、AppChooser、パネル、通知機能、カスタムテーマのサポート、PolicyKitエージェント、Westonプラグインなどを含み、システム環境設定、ウィジェットスタイルなどを用意する。EGLをサポートしたQt 5.2、Wayland機能を利用するためのqtwaylandモジュール、Wayland 1.3とWeston 1.3、DConfなどのコンポーネントを利用しているという。

 Maui Projectは新しいデスクトップ環境を構築する理由について、「現在のデスクトップ環境に満足していない」と説明している。たとえばUnityは設定が柔軟ではない、GNOME Shellはタブレット主導のUIやC++とQtをべースとしていない点を不満とし、Razor-Qtについては一貫性のあるユーザー体験がないと指摘している。KDE WorkspacesについてはQtベースであり、Hawaiiに近いがUIにたくさんのオプションがあり分かりにくいと記している。

 HawaiiのソースコードはMaui ProjectのWebサイトで公開されている。ビルド方法などを解説した簡易的なドキュメントも提供されている。今後は電源管理などの機能を追加していく予定という。

The Maui Project
http://www.maui-project.org/