メモリエラー検出機能などを持つデバッグ/プロファイリングツール「Valgind 3.9」リリース
11月1日、デバッグ/プロファイリングツール「Valgrind 3.9.0」がリリースされた。メモリリーク関連の解析機能が強化されたほか、リモートデバッグ情報サーバーサポートなども追加されている。
Valgrindはメモリエラーやスレッドエラーの検出、キャッシュおよび分岐予測プロファイラ、コールグラフ生成キャッシュ、ヒーププロファイラといった機能を持つデバッグ/プロファイリングツール。Valgrindを利用することで、メモリ管理やスレッド関連のバグを検出できる。ライセンスはGPLv2。
Valgrind 3.9.0では、メモリ関連の解析機能「Memcheck」においてメモリリークチェッカーの制御が改善された。どのリークの種類を表示するのか、またどれをエラーと判別するのかなどの詳細設定が可能になったほか、レポート機能やヒープ割当ブロック向けスタックトレースの制御なども改善されている。マルチスレッドコードの競合検出ツール「Helgrind」では、偽エラーにつながるバグが修正された。
デバッグ情報関連の処理も改良された。デバッグ情報の読み込みに関する動作が変更され、仮想メモリ利用の急増を避けられるようになったほか、デバッグ情報をdebuginfoオブジェクトが格納されている別のマシンから読み込むリモートデバッグ情報サーバー対応についても実験的に導入されている。GDBサーバーモニターも強化されている。
MIPS64やIntel AVX、POWER8命令セットのサポート追加やIntelとPOWERプラットフォーム向けのハードウェアトランザクショナルメモリ(HTM)の初期サポートも加わった。Mac OS X 10.8(Mountain Lion)のサポートも強化されている。
Valgrindは、Linux(x86/AMD64/ARM/PPC32/PPC64/S390X/MIPS32/MIPS64)、Android 2.3以降(ARM)、Android 4.0移行(x86)、Darwin(x86/AMD64。ただしOS X 10.8については制限付き)で利用できる。
Valgrind
http://valgrind.org/