電子書籍管理ツール「Calibre 1.0」リリース、Word形式ドキュメントの変換をサポート

 マルチプラットフォームに対応する電子書籍管理ツール「Calibre」の開発チームは8月23日、最新版となる「Calibre 1.0」を公開した。表紙サムネイルのグリッド表示やMicrosoft Word形式ドキュメントの変換機能など、多数の新機能が加わっている。

 Calibreは、PythonとCで実装されているオープンソースの電子書籍管理ソフトウェア。2006年にKovid Goyal氏によってプロジェクトが開始された。EPUBやFB2、LIT、MOBI、PDF、PDB、RTF、TCR、TXTZなど多数のドキュメントフォーマットをサポートし、電子書籍ライブラリの管理や電子書籍ビューア、電子書籍フォーマットの変換、電子書籍リーダーとの同期といった機能を持つ。WindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、ライセンスはGPLv3。

 Calibre 1.0は2012年秋に公開された0.9以来のメジャーリリースとなる。大きな変更点としては、まず外観の大きな変更がある。表紙サムネイルのグリッド表示が可能となり、コレクションにある電子書籍から目的のものを容易に選択できるという。グリッド表示のカスタマイズも可能で、表紙サイズ、間隔、背景の色などを設定できる。表紙画像やメタデータのダウンロード機能も強化されており、Googleの画像検索や出版社によるカタログ「Edelweiss」、Amazonのカバー画像を検索できる「Big Book Search」などから表紙画像やメタデータをダウンロードできるという。

 また、バックエンドのデータベースが刷新され、軽量化が図られている。これまでと比べて2~3倍処理速度が高速になるという。PDF出力エンジンも一新し、ページ割り、カスタマイズしたヘッダーやフッターの挿入、印刷可能な目次の自動生成などの機能も盛り込まれた。

 MicrosoftのWord文書(「Word 2007」以降の.docxファイル)をEPUBおよびAZW3に変換することも可能となった。リスト、テーブル、各種テキストフォーマット、脚注や注釈をサポートした包括的な変換機能を提供するという。埋め込みフォントのフルサポートや、目次の編集ツール、高度な機能を利用して変換後の書籍を洗練させるツールセットも加わった。

 Calibre 1.0はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

Calibre
http://calibre-ebook.com/