フリーのAnroidディストリビューション「Replicant Project」、寄付キャンペーン開始

 フリーソフトウェアを推進するFree Software Foundation(FSF)とReplicant Projectは7月26日、Replicantが進めているフリーのAndroidディストリビューション開発プロジェクトの資金調達をFSFが代行することを発表した。FSFのWebサイト上でReplicantプロジェクトへの寄付を受け付けている。

 Replicantは、2010年に4人の開発者がスタートしたフリーのAndroidディストリビューションプロジェクト。AndroidはGNU GPLとApache License 2.0などの元で公開されているフリーソフトウェアだが、デバイスメーカーが提供するAndroidデバイスにはGmailやGoogle MapsなどのGoogle製アプリや、ハードウェアとのインターフェイスに必要なコンポーネントなど、プロプライエタリなものが一部含まれている。Replicantはフリーソフトウェアのみでのモバイル体験を目指すもので、「Google Play」の代替となるアプリレポジトリの「F-Droid」などを含む。

 最新版は7月22日に公開したバージョン4.0 0004。プロジェクトのWebサイトによると、ReplicantはSamsungの「Galaxy S」シリーズ(S、S2、S3)、「Galaxy Tab 2 10.1」などのタブレット、「HTC Dream」「HTC Magic」「Nexus S」などのモバイル端末で動くという。

 寄付金の用途として、Replicantをポーティングするのに必要な新しい端末の購入、イベントでのプロモーションに充てるとしている。FSFのサイトではクレジットカード、PayPalでの寄付を受け付けているほか、Bitcoinでも寄付できる。Replicantはまた、サポートする端末を増やしたり、サポート済みの端末での状態を改善するためにプロジェクトに参加する開発者も募っている。

 ReplicantとFSFの関係は古く、FSFの執行ディレクターJohn Sullivan氏は3年前からReplicantをメインのスマートフォンとして利用しているという。FSFは過去にも「Galaxy Tab 2」をReplicantに寄贈するなど支援しているとのことだ。

Replicant Project
http://replicant.us/

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/

FSFの寄付ページ
https://crm.fsf.org/civicrm/contribute/transact?reset=1&id=19