分散型データベース「Riak 1.4」リリース、セカンダリインデックスの改善など
米Basho Technologiesは7月10日、オープンソースの分散型データベース「Riak 1.4」をリリースした。新しいバイナリフォーマットによるディスクの削減やセカンダリインデックスの改善などが特徴となる。
Riakは分散環境で動作するデータベース。MapReduce処理、マルチノードのクラスタ、マスターレスなどの機能を持ち、フォールトトラレント、可用性、拡張性などを特徴とする。JavaScript、Erlangのほか、Python、Ruby、PHP、Javaなどの言語をサポートしており、FreeBSD、Mac OS X、Linux、Solarisなどで動作する。ライセンスはApache License 2.0。
Riak 1.4は、2月に公開されたRiak 1.3に続く最新版となる。本リリースでの大きな新機能や更新点としては、セカンダリインデックスの改良やカウンタ型の導入、Riak Controlによる簡易化されたクラスタ管理、オブジェクトストレージのオーバーヘッドの削減、再書き込み処理(Handoff)の進捗レポート機能、バックプレッシャー(フロー制御)の改善などが挙げられている。
セカンダリインデックスの改善により、クエリ結果のソートやページネーションが利用できるようになった。また、整数を格納できるデータ型であるcounter型が新たに導入された。値の取得および加算/減算という操作のみが行えるもので、分散化されたクラスタ環境内でも自動的に競合解決が行われ、常に正しい値を取得できるのが特徴。
管理ツール「Riak Control」でのクラスタ管理機能が改善されたほか、障害が発生したノードに対する書き込み情報を管理する「Hinted Handoff」機構の改善も行われている。これにより、クラスタの運用や問題の特定とトラブルシューティング、モニタリングなどが簡素化されるという。レプリケーションではSSL、NAT、full syncスケジューリングのサポートやリアルタイムのカスケードレプリケーションが加わったほか、データ転送時間を短縮できる「Active Anti-Entropy」も実験的に加わった。
オブジェクトストレージではオーバヘッドの少ないフォーマットでデータの保存や転送を行う新しいバイナリフォーマットを採用、ディスクとネットワークの両方で効率化が図れるという。バックプレッシャーも強化し、vnodeのキューが多数のメッセージを保持する際にオーバーロードメッセージを知らせるようになった。
Riak 1.4はBashoのWebサイトよりダウンロードできる。
米Basho Technologies
http://basho.com/