「Wayland 1.1」がリリース、Raspberry Piやフレームバッファサポートなどが特徴

 4月15日、X Window Systemの代替を目指す「Wayland」の最新版「Wayland 1.1.0」およびリファレンス実装「Weston 1.1.0」がリリースされた。Raspberry Piやフレームバッファデバイスのサポート、ソフトウェアベースのピクセル操作バックエンド導入などが特徴となる。

 WaylandはX Window Systemのシンプルな代替を目指すプロジェクト。画面表示を担うコンポジタ(compositor)とクライアント間で通信に利用されるプロトコルも独自で開発しており、モダンかつ軽量なアーキテクチャといった特徴を持つ。Hogsberg氏が2008年に開発をスタートし、2012年10月に初の正式版が公開された。ライセンスはMIT License。

 Wayland/Weston 1.1はバージョン1.0のリリース後初のメジャーリリースとなる。ソフトウェアベースのレンダリングバックエンド「Pixman」の導入により、ハードウェアのサポートなしにPixel操作ライブラリを利用できるようになった。また、fbdev(Linux framebuffer)バックエンドもサポート、フレームバッファデバイス上でWestonを利用できる。fbdevバックエンドとPixmanレンダラーのサポートを組み合わせることで、ソフトウェアベースのWeston環境を実現できるという。

 バックエンドではこのほか、Raspberry Pi、RDP(Remote Desktop Protocol)がサポートされた。これにより、Rasberry PiのグラフィックドライバやRDPクライアントをWestonバックエンドに接続できるようになった。クラッシュダンプを改善するlibunwindサポート、Westonプラグインを開発できるモジュールSDKなども加わっている。

 WaylandおよびWestonは、FreedesktopプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

Wayland
http://wayland.freedesktop.org/