米Red Hat、コミュニティ主導のOpenStackディストリビューション開発プロジェクト「RDO」を発表。OpenStack/Hadoopプロジェクトも強化へ
米Red Hatは米国で4月15日より開催中のOpenStackイベント「OpenStack Summit」にて、OpenStackディストリビューション「Red Hat OpenStack」のコミュニティ版である「RDO」を発表した。また、「Apache Hadoop」のOpenStack上でのデプロイや管理を簡素化する取り組みも積極的に進めるという。
Red Hat OpenStackは、独自にカスタマイズされたOpenStackパッケージやインストールツールなどを提供するもの。これを利用することで、従来は面倒なインストール・デプロイプロセスが必要だったOpenStack環境の構築を容易に行える。2012年8月にプレビュー版を公開していた。
今回発表されたRDOプロジェクトは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)やFedora、CentOSなどのRHEL互換ディストリビューション上で利用できるOpenStackパッケージやインストールツールを提供するもの。Red Hatが提供するインストールツール「PackStack」を利用して、OpenStackの最新コンポーネントを容易にインストールできるという。専用Webサイトにはクイックスタートガイドといったドキュメントのほか、フォーラムなどのコミュニティ機能もある。
また、「Red Hat OpenStack Enterprise Edition」の早期導入プログラムも発表された。Open Stack Foundationが2012年秋にリリースした「OpenStack 2012.2」(開発コード「Folsom」)をベースとしたもので、90日間無料で評価目的の利用が可能。同ディストリビューション向けのパートナープログラム「Red Hat OpenStack Cloud Infrastructure Partner Network」も発表している。
そのほか、Hadoopベンダーの米Hortonworks、OpenStackシステムインテグレーターとしては最大という米Mirantisと提携し、「Project Savanna」の開発を進めて行くことも発表された。Project SavannaはMirantisが開発し、現在はOpenStack Foundationの下で進んでいるプロジェクト。OpenStack上でHadoopを実装・管理することを目的としている。当面はサードパーティ製Hadoopプロビジョニング・管理フレームワーク統合のためのAPI開発と提供にフォーカスするという。これにより、ユーザーはOpenStackのAPIとダッシュボードを利用してHadoopディストリビューションをプロビジョニングできるという。
Red Hatによると、OpenStack 2012.2(Folsom)リリースでは同社のコード貢献数は第2位だったとのこと。4月に公開されたOpenStackの最新版「OpenStack 2013.1(Grizzly)」ではもっとも貢献した企業になったという。
RDO Community
http://openstack.redhat.com/Main_Page
Project Savanna
https://wiki.openstack.org/wiki/Savanna
米Red Hat
http://www.redhat.com/