DarwinベースのOSディストリビューション「PureDarwin 1.3 beta」リリース

 PureDarwin Projectは12月15日、DarwinベースのUNIX環境「PureDarwin 1.3 beta」をリリースしたと発表した。PureDarwinはオープンソースで公開されたMac OS Xのカーネル「XNU」やその周辺コンポーネントから構成されるOS環境「Darwin」を容易に利用できるようにバイナリ形式で配布するプロジェクト。現在はテスト段階という位置付けだが、仮想マシン上でブートして利用できるという。

 Mac OS XのコアとなっているDarwinはオープンソースで公開されており、かつてはOpenDarwinというコミュニティベースのプロジェクトによってインストール用ISOイメージなどのバイナリが配布されていた。しかし2006年にOpenDarwinは活動を停止、Appleがソースコードのリリースに対し消極的になったこともあってしばらくの間バイナリの作成・配布活動は停滞状態にあった。このような状況の中、Darwinの起動可能なバイナリを作成・配布することを目的とした新たなプロジェクトとして生まれたのがPureDarwinプロジェクトとなる。

 PureDarwin 1.3 betaは、2007年にリリースされたMac OS X 10.5系に相当する「Darwin 9」をベースとしたディストリビューション。DNSサポートを含むネットワークサポートやMacPortsおよびOpenDirectoryサポートを含んでいるという。ただし、PureFoundationやSecurity frameworkといったいくつかのフレームワークについてはまだ正常に動作していない、もしくは十分にテストがされていないという。また、動作はするもののいくつかの問題を含むコンポーネントもあるという。

 PureDarwin 1.3 betaのバイナリはqemuやVirtualBoxなどの仮想マシンで利用できるqcow2形式のディスクイメージとして公開されている。また、ソースコードも公開されている。

PureDarwin
https://sites.google.com/a/puredarwin.org/puredarwin/