Ubuntuが開発・リリーススケジュールを変更、アルファリリースは廃止へ
Linuxディストリビューション「Ubuntu」開発を主導する英Canonicalが、Ubuntuリリーススケジュールの見直しを発表した。作業の合理化と品質の改善が目的となる。半年に一度というリリースサイクルに変更はないが、今後アルファ版リリースはなくなりベータ1回のみになるという。
新しい開発プロセスについては、デンマーク・コペンハーゲンで10月29日から4日間開催されている「Ubuntu Development Summit(UDS)」で議論された。CanonicalでUbuntuのQAコミュニティコーディネーターを担当するNicholas Skaggs氏が10月31日付けのブログで、UDSで決定された計画について明らかにした。
それによると、今後はマイルストーンリリースを廃止し、開発サイクルを通じて隔週ペースでのテストを行うことで品質改善を図る。機能テストもUnity、インストーラー、最新版で導入する新機能などを対象に絞り込む形とするが、品質についてのフィードバックも対象となるという。
リリーススケジュールではアルファリリースがなくなり、ベータ版を1回リリースした後、正式版をリリースする形とする。フリーズは数週間後ろ倒しにし、アーカイブフリーズを遅らせることで開発とテストを継続的に行えるようにする。
テストについては、GUIテスト自動化のXpresserにUIテストのAutoPilotを統合し、定期的にテストを行うことで品質を改善する。インストーラーUIなどが最初のフォーカスになるという。コミュニティは自動化の作成と実行、さらにはツール開発などに参加できるという。
なお、計画されている新しい開発作業はUbuntuのみを対象としたもので、KubuntuやXubuntuなどの「フレーバー」(派生版)は、各開発チームがテストやフリーズなどに権限を持って独自スケジュールの下で作業できるとしている。
Canonicalは10月に「Ubuntu 12.10」(開発コード「Quantal Quetzal」)をリリースしており、次期版は2013年4月に登場予定の「Raring Ringtail」こと「Ubuntu 13.04」となる。
英Cnonical
http://www.canonical.com/
Ubuntu
http://www.ubuntu.com/