クラスタリングやロードバランシングなどを提供するJBoss AS 7ベースのRubyアプリケーションプラットフォーム「TorqueBox 2.10」リリース

 7月27日、Ruby on RaiolsやSinatraをサポートするRubyアプリケーションプラットフォーム「TorqueBox」 の最新版「TorqueBox 2.10」がリリースされた。TorqueBoxはJBoss Application Server(AS)をベースに、Rackインターフェイスやメッセージング機構、スケジューリング機構などを実装するRubyアプリケーション実行環境。

 TorqueBoxは、米Red HatのJBoss Applications Server(JBoss AS)とJRuby上でRubyアプリケーションを動かすためのプラットフォーム。Ruby on RailsやSinatraなどのRubyプラットフォームをサポートし、クラスタリング、負荷分散、高可用性を備えるオールインワンの開発環境を提供する。

 TorqueBox 2.10は5月に公開されたバージョン2.0.3以来の最新版となる。ベースとなるJBoss ASのバージョンが7となり、これによりクラスタリング関連のバグが修正された。クラスタリング関連ではこのほか、デフォルトのクラスタリングモードが変更されている。

 変更点としては$JRUBY_OPTS環境のサポートなどが挙げられる。また、JRubyのメソッドを呼び出す「InvokeDynamic」はデフォルトで無効となった。これについて開発チームは「JDK 7のバグが原因」とし、暫定的処置と説明している。スケジュールされたジョブのタイムアウト設定も可能となった。また、最新版よりinjectメソッドの名称が「fetch」に変更されている。

 開発チームは同日、チームリーダーがBob McWhirter氏からBen Browning氏に公式に変更したことも発表している。Browning氏は数か月前から実質的に開発を統括しているという。あわせて、Red Hatが「JBoss Web Framework Kit 2.0」の技術プレビューでTorqueBoxをサポートしたことも報告している。TorqueBoxに対応したJBoss Web Framework KitはJBoss EAP 6版となる。

 TorqueBoxはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

TorqueBox
http://torquebox.org/