Netscape創業者のベンチャーキャピタル、米GitHubに1億ドルを投資。クラウドや「人中心のプロジェクト」を評価

 米GitHubは7月9日、ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzより1億ドルの投資を受けることを発表した。GitHubが外部から投資を受けるのはこれが初。Andreessen Horowitzにとっては、これまでで最高の出資額という。

 GitHubは2008年にTom Preston-Werner氏らが創業したGitリポジトリのホスティングサービス。Gitリポジトリだけでなく、コラボレーション機能も提供している。オープンソースソフトウェアの開発に使用するための公開レポジトリは無料で提供するが、レポジトリなどを非公開で使用する場合は有償となる。また、法人向けのオンプレミス版「GitHub Enterprise」や、GitHub for Mac、GitHub for Windowsなどの各OS向けクライアントも提供する。現在、300万件以上のプロジェクトがホスティングされており、ユーザーは170万人に及ぶという。

 GitHubは創業以来、外部からの投資を受けておらず、すでに黒字化しているとのこと。事業は急成長中で、年間成長率は300%近くという。今回Andreessen Horowitzの投資を受けた理由について、「Software is eating the world(ソフトウェアが世界を飲み込む)」というAndreessen Horowitzの考えに共感しており、創業者がすばらしい企業を作り上げるのを支援するという投資方針に同意したとしている。今回の資金は、「最高の製品の開発、問題解決」などに注ぐ意向で、専門家にはより高度な機能を開発し、初心者には使いやすいサービスにしていくとしている。

 Andreessen Horowitzは、Netscape創始者であるMarc Andreessen氏が2009年にBen Horowitz氏と立ち上げたベンチャーキャピタル。これまでSkype、Twitter、Facebookなどの企業に投資している。今回の投資額1億ドルは、同社にとっては過去最大となる。同社のパートナー、Peter Levine氏はGitHubについて、プログラマにとって必須のツールであるSCM(ソースコード管理)システムをクラウドで提供していること、コードではなく人中心にプロジェクトが構築されること、の2つを評価している。Levine氏はXenSourceのCEOを務めていた人物で、今回の投資とともに自身がGitHubの取締役会に加わることも発表している。

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