GUIを持つGRUB構成エディター
KDEとQt 4がインストールされていれば、QGRUBEditorをインストールして使うことができる。何の問題もないはずだ。バージョン2.5.0をダウンロードしMandriva Linux 2008システムにインストールしてみたが、次のコマンドで簡単にコンパイルとインストールができた。
qmake-qt4 make make install
インストールに問題が生じた場合は、libqt4-core、libqt4-dev、libqt4-guiの有無を確認すること。インストールができたら起動してみよう。起動にはTools→QGRUBEditorとするか、rootでターミナルから「qgrubeditor
」を実行する。
メイン・ウィンドウ には、menu.lstというGRUB構成ファイルのエントリーが並んでいる。このファイルは、通常、/boot/grubにあるが、これと異なるメイン構成ファイルを編集するときは、ウィンドウの下端にあるテキスト・ボックスで変更する。
メイン・ウィンドウのGRUB Entriesタブにはパネルが2つあり、上のパネルにはmenu.lstのエントリーが並び、下のパネルにはそのエントリーの詳細が表示される。上のパネルで、エントリーを右クリックすると、それをデフォルトまたはフォールバックのカーネルに設定することができる。デフォルトのエントリーは緑の背景で表示される。
変更を実際の構成ファイルで確認することもできる。メニューからFile→View Inputと選択すると、2つのタブを持つウィンドウが新たに開く。そのDevice Inputタブにはパーティション(/etc/mtabに対応)が表示される。これを見ると、GRUBでの呼び方とパーティション名との関係がわかる。たとえば、「/dev/sda1 = (hd0,0)
」といった具合だ。もう一つのMenu Inputタブには実際のmenu.lstファイルが表示される。変更は直ちに反映され、保存する必要はない。
メイン・ウィンドウに表示されているエントリーをダブル・クリックすると詳細画面が開き、利用可能なオプションがすべて表示される。ここでの変更も自動的にmenu.lstに反映される。メイン・ウィンドウのもう一つのタブ、GRUB Settingsタブでは、タイムアウトなどのよく使われるGRUBオプションの変更、デフォルトの設定、パスワードの指定、システム起動時に表示されるGRUBメニューの色の変更、スプラッシュ・イメージの設定ができる。スプラッシュ用のイメージの形式は数種類に対応しているが、いずれも自動的にGRUB用の.xpm.gz形式に変換される。Previewボタンを押すとスプラッシュ・イメージを確認することもできる。GRUBのスプラッシュ・イメージでは16色までしか使えないため、原画とは印象が異なるだろう。
エントリーの編集では、設定可能な項目がすべて表示されるが、その値についての情報はない。これは極めて不便だ。たとえば、KernelやChainloaderを設定するとき、設定可能な値を知りたいだろう。GRUB用のヘルプを組み込めば、より完璧なエディターになるはずだ。
インタフェースに関する問題はもう一つある。ToolsメニューにEncrypt PasswordとCreate GRUB Splash Imageという項目があるが、どこで使うものか、わからないのだ。メイン・ウィンドウのGRUB Settingsタブで使われることが想定されているのだが。
とはいえ、menu.lstを直接編集するより好ましいのは確かだ。初心者や一般の利用者にも取っ付きやすくなり、QGRUBEditorを通じてGRUBという強力なブート・ローダーの構成方法を知ることができるだろう。
Sergio Gonzalez Duran Linux管理者、システム開発者、ネットワーク・セキュリティー・カウンセラー。そのかたわら、Linuxコースの教壇に立ち、スペイン向けのLinuxとオープンソースのためのWebサイトlinuxtotal.com.mxを開設している。