openSUSEの開発に遅れ、次期「openSUSE 12.2」は9月中旬リリースに延期
openSUSEプロジェクトのリリースマネージャーStephan Kulow氏は6月14日、開発中のLinuxディストリビューションの次期版「openSUSE 12.2」のリリース延期をメーリングリストにて発表した。リリースは当初7月11日の予定だったが、9月中旬に延期されるという。
Kulow氏はこの日、openSUSE 12.2リリースに関連して2通のメールを出した。そのうちの1通でKulow氏は最新のリリーススケジュールを発表、6月18日の週にベータ2を、7月中旬にリリース候補(RC)1を公開するとした。その後8月中にアップデートを行った後、正式版を9月中旬にリリースするという。当初の予定では、6月14日にRC版を、正式版は7月11日に公開を予定していた。
openSUSEプロジェクトは2009年に固定リリースサイクルを取り入れ、8か月おきに正式版をリリースするというリリースサイクルを導入している。現行版は2011年11月に公開された「openSUSE 12.1」。現在開発中の12.2はマイルストーンとベータが遅れ、Milestone 4はリリースをスキップするなど、足取りが大きく乱れている。
Kulow氏のもう1通のメールは、リリース遅れの原因を分析し、解決策に向けてコミュニティに議論を呼びかける内容となっている。Kulow氏は作業が遅れている部分として、Factory内に多数ある独立したパッケージがそれぞれアップデートを行い、そのパッケージに依存する他のパッケージの修正に手が回っていないと指摘している。「幸いにも貢献者が増えており、パッケージのバグ修正やバージョンアップデートなどの作業を行っている。だがこのところ、状況は改善するどころか悪化している」とKulow氏。
そこで提案として、1)統合作業をする人が必要、2)「ステージングプロジェクト」としての作業が開発プロジェクトの作業以上に必要、3)リリーススケジュールをやめて1年に1度のリリースにし、ローリングリリースシステム「Tumbleweed」ベースにする、という3点を記している。
同日openSUSE.org公式サイトでコミュニティマネージャのJos Poortviliet氏もこの問題を取り上げ、貢献者増加に開発プロセスが追いついていないとして「新しい方向を探る必要がある」とした。「リリーススケジュールを年1回に減速してTumbleweekベースにし、作業方法でステージングにフォーカスする両方を組み合わせた解決策がよいのでは」と提起している。
openSUSE.org
http://www.opensuse.org/