GCC以前のCコンパイラ「Portable C Compiler」、30年以上を経てバージョン1.0がリリースされる

 4月1日、Portable C Compiler(PCC)初の正式版となる「PCC 1.0」を公開した。土台となるオリジナルのPCCが登場してから30年以上が経過している。

 PCCの起源は、1970年代後半にStephen C. Johnson氏が作成した「Portable C Compiler」。古くに登場したCコンパイラの1つで、GCC(GNU C Compiler)が登場するまでは主要なコンパイラの座を得ており、その後多数のCコンパイラの土台となっている。

 2007年、NetBSDコミュニティでプロジェクト再開が発表され、Anders Magnusson氏らがC言語規格のC99をサポートするべく、オリジナルのPCCをベースに書き直しに着手した。その後、2008年1月にC99に対応したバージョン0.9.9がリリースされている。最新のPCCでは、フロントエンドコードの約50%、バックエンドコードの約80%が書き直されている。

 特徴は移植性の高さ、高速なレスポンス、使いやすさなど。ライセンスはGCCがGPLであるのに対し、PCCではBSDライセンスを採用する。アーキテクチャはi386とAMD64をメインでサポートし、各種BSDおよびLinuxでのコンパイルや実行が想定されている。このほかのアークテクチャも対応するが、機能は制限される可能性があるという。

 PCC 1.0のソースコードはPCCプロジェクトのWebサイトで公開されている。コンパイルにはlexもしくはflexと、yaccもしくはbison、Cコンパイラが必要となる。

Portable C Compiler
http://pcc.ludd.ltu.se/