米Red Hat、Linuxカーネルのソースパッケージ配布方法変更について「競合への対処が理由」と説明

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6ではLinuxカーネルのソースRPMパッケージについてリリース方法が変更されたが、この変更について一部で批判の声が上がっている。これに対しRed HatのCTOが3月4日付けで公開書簡を発表、変更の理由について「競争市場が変化したため」と説明した。

 RHELではLinuxカーネルのソースコードを「オリジナルのソースコード+パッチ」という形式で配布していたが、2010年11月に発表したRHEL 6からはパッチ適用済みのソースコードのみが配布される形になった。この方法はGPL違反ではないものの、パッチの適用に関する情報が分かりにくくなるという問題がある。この問題はDebian開発者のMaximilian Attems氏が「あいまいな形」とブログで指摘し、これをLinux情報サイトのLWN.netが取り上げて話題となった。Red HatのCTOであるBrian Stevens氏が公開した書簡は、この批判への回答となる。

 Stevens氏はソースパッケージの変更について「エンタープライズLinux市場のライバル企業が商用アプローチを変更したため」と説明している。「これまではカスタマイズしたLinuxディストリビューションを各社が構築して競っていたが、(ライバル企業が)われわれ(Red Hat)の顧客に直接アプローチしてRHELのサポートを提供するようになった」と付け加えており、RHELの互換環境「Oracle Unbreakable Linux」およびサポートを提供する米Oracleへの対抗を示唆している。

 Stevens氏はアップストリーム優先主義などのオープンソース開発に引き続きコミットする姿勢を示しつつ、「われわれの回答は、競合と戦うこと」と記している。個々のパッチの適用に関する情報は競合には明かさないが、RHELの価値を認識している顧客には知識を提供するとし、サポートを主とする自社ビジネスを守りライバルと戦う意志を示している。

米Red Hat
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