米Ingres、「既存のデータベースより10倍~70倍高速」というデータ解析向けDBMS「VectorWise」をリリース
米Ingresは6月8日(米国時間)、次世代データベース管理システム(DBMS)「Ingres VectorWise for Linux」の一般提供(GA)を開始した。マルチコアやインメモリ処理、SIMDといった近年のコンピュータハードウェアの進化に対応したアーキテクチャにより、既存のデータベースと比較して10倍から70倍ものパフォーマンスを発揮できるという。
Ingres VectorWiseは、Ingresがオランダの研究機関Centrum Wiskunde & Informaticaと共同開発した次世代データベース。列指向データベース管理システムであるMonetDBを発展させたもので、列ベースのストレージやベクトルベースの処理、自動圧縮/インデックス作成といった機能が特徴。大量のデータを処理するデータ解析などの用途が想定されており、軽量な圧縮アルゴリズムによる高いデータ圧縮レートや、高いI/O効率などを実現しているという。
VectorWiseにより数分を要していたデータ分析が数秒に短縮されるとのことで、たとえばベータ版を導入していた顧客の例では、Oracleからの乗り換えにより最大70倍の高速化を達成できたという。IngresはVectorWiseについて「この20年間で最も重要なデータベースイノベーションの1つ」と述べている。
今回リリースされたのは24時間365日のサポート付きの商用版(Enterprise Edition)で、年内にオープンソース版も公開される予定となっている。
米Ingres
http://www.ingres.com/
Ingres VectorWise
http://www.ingres.com/vectorwise/