Moblinアプリケーション開発はじめの一歩 3ページ

Eclipseプラグインのインストール

 Moblinアプリケーションの開発では、昔ながらの「テキストエディタでコードを書き、コマンドラインでコンパイラ等の開発ツールを実行する」スタイルだけでなく、統合開発環境(IDE)の利用もサポートされている。公式にサポートされているIDEはEclipseと、GNOMEベースの「Anjuta(アニュータ)」だ。

 Eclipseを利用してMoblinアプリケーションを開発する場合、Moblin向けのプラグインをインストールすることでEclipseからプロジェクトの作成やコンパイル、パッケージ化やリモートデバッグといった機能が利用できるようになる。

 なお、このプラグインはEclipse 3.5以上のみに対応しており、旧バージョンのEclipseには対応していない。たとえば今回例として使用しているUbuntu 9.04など、ディストリビューションによってはEclipse 3.5系の公式パッケージが用意されていない場合がある。その場合、EclipseのWebサイト等からEclipse 3.5系のバイナリをダウンロードしてセットアップする必要がある。EclipseのWebサイトでは複数のバイナリが用意されているが、Moblinアプリケーション開発を行うだけであれば「Eclipse IDE for Java Developers」をダウンロードすれば良い(図5)。また、EclipseのWebサイトで公開されているバイナリはUIが日本語化されていないので、必要に応じて日本語化言語パックを導入すると良いだろう。日本語化言語パックはSourceForge.JPのEclipse Galileo (3.5.1) 日本語化言語パック(サードパーティ版)ページから入手できる。

図5 Eclipse 3.5系のパッケージを利用できない場合、EclipseのWebサイトから「Eclipse IDE for Java Developers」をダウンロードしてセットアップすれば良い
図5 Eclipse 3.5系のパッケージを利用できない場合、EclipseのWebサイトから「Eclipse IDE for Java Developers」をダウンロードしてセットアップすれば良い

 Eclipseプラグインのインストールは、Eclipseの「Help」−「Install New Software」メニューから行える。プラグインのインストール元を指定するダイアログが表示されるので、「Work with」欄にまず「http://download.eclipse.org/technology/linuxtools/update」と入力し、「Add」をクリックする(図6、7)。すると「Add Site」というダイアログが表示されるので、「Name」欄に「linuxtools」など適当な名前を入力して「OK」をクリックしよう(図8)。

図6 Eclipseを起動し、メニューから「Help」−「Install New Software」を選択する
図6 Eclipseを起動し、メニューから「Help」−「Install New Software」を選択する
図7 「Work with」欄に「http://download.eclipse.org/technology/linuxtools/update」と入力して「Add」をクリックする
図7 「Work with」欄に「http://download.eclipse.org/technology/linuxtools/update」と入力して「Add」をクリックする
図8 「Name」欄に「linuxtools」など、適当な名称を入力して「OK」をクリックする
図8 「Name」欄に「linuxtools」など、適当な名称を入力して「OK」をクリックする

 続いて「http://moblin.org/sites/all/files/moblin-eclipse-plugin/update」についても同様に登録を行う(図9、10

図9 「Work with」欄に「http://moblin.org/sites/all/files/moblin-eclipse-plugin/update」と入力して「Add」をクリックする
図9 「Work with」欄に「http://moblin.org/sites/all/files/moblin-eclipse-plugin/update」と入力して「Add」をクリックする
図10 「Name」欄に「moblin」など、適当な名称を入力して「OK」をクリックする
図10 「Name」欄に「moblin」など、適当な名称を入力して「OK」をクリックする

 すると、ダイアログ中央のリストボックスに「Moblin SDK Plugin」が表示されるので、これにチェックを入れて「Next」をクリックする(図11)。

図11 「Moblin SDK Plugin」にチェックを入れて「Next」をクリックする
図11 「Moblin SDK Plugin」にチェックを入れて「Next」をクリックする

 「Install Details」画面が表示され、インストールされるプラグイントが表示されるので、確認して再度「Next」をクリックする(図12)。

図12 インストールするプラグインコンポーネント一覧が表示されるので、確認して「Next」をクリックする
図12 インストールするプラグインコンポーネント一覧が表示されるので、確認して「Next」をクリックする

 最後にインストールするプラグインのライセンスの確認が行われるので、「I accept the terms of the license agreements」を選択して「Finish」をクリックするとインストールが開始される(図13)。

図13 「I accept the terms of the license agreements」を選択して「Finish」をクリックする
図13 「I accept the terms of the license agreements」を選択して「Finish」をクリックする

 インストールの途中で「署名されていないソフトウェアをインストールしようとしている」との警告が表示されるが、そのまま「OK」をクリックして構わない(図14)。インストールが完了すると再起動を促すメッセージボックスが表示されるので、「Yes」をクリックしてEclipseを再起動しよう(図15)。

図14 インストールするソフトウェアに署名がない旨の警告が表示されるが、「OK」をクリックして続行する
図14 インストールするソフトウェアに署名がない旨の警告が表示されるが、「OK」をクリックして続行する
図15 インストールが完了したら再起動するかどうか尋ねられるので、「OK」をクリックして再起動する
図15 インストールが完了したら再起動するかどうか尋ねられるので、「OK」をクリックして再起動する

プラグインの設定

 プラグインのインストールが完了したら、続いてプラグインの設定を行っておこう。Eclipseのメニューバーから「Window」−「Preferences」を選択すると「Preferences」ウィンドウが表示されるので、「Moblin SDK」を選択し、「Toolchain Location」でMoblin SDKをインストールしたディレクトリ以下の「moblin-cross-toolchain」ディレクトリを指定しておく(図16)。

図16 Eclipseの「Preferences」ウィンドウで「Moblin SDK」の設定を行っておく。「Toolchain Location」に適切なディレクトリを設定しておこう
図16 Eclipseの「Preferences」ウィンドウで「Moblin SDK」の設定を行っておく。「Toolchain Location」に適切なディレクトリを設定しておこう