多数の新機能が追加されたKDEデスクトップ環境の新版「KDE Software Compilation 4.4」登場

 KDEは2月9日、デスクトップ環境の最新版「KDE Software Compilation(SC) 4.4」(開発コード名「Caikaku」)を発表した。最新版では「KDE」から名称を変更、ローンチに合わせてKDEのホームページも一新されている。

 KDEは2009年末に大規模なブランディング計画の一部として、コミュニティ名をKDEに、KDEをKDE SCに変更することなどを発表。KDE SC 4.4は名称変更後にリリースされる最初の正式版となる。

 KDE SC 4.4はフィンランドNokiaのユーザーインターフェイス開発技術「Qt 4.6」をベースとし、多数の新機能が追加されたほか、全体のユーザーインターフェイスも洗練されたものになっている。デスクトップ周りでは、タスクバー/ウィジェットエンジンとして従来の「Plasma」に加え、ネットブック向けの「Plasma Netbook」が導入された。Plasma NetbookはPlasmaとの共通点ははるものの、タッチ画面対応など小型端末を想定して土台から構築したという。ソーシャル機能の導入も特徴で、「Community Widget」(旧名称「Social Desktop Widget」)機能による友人とのウィジェット共有や、自分のソーシャルネットワークの最新情報を得られる機能などが加わった。

 ウィンドウマネージャ「KWin」も強化、タブによるウィンドウのグループ化によりアプリケーションを効率よく管理できるようになった。ドラッグによるウィンドウの操作も改善され、横に並べて表示するなどのことが行える。Workspaceアプリケーションとのインタラクションもスムーズにした。

 そのほか、新たに認証フレームワーク「KAuth」が導入された。Linuxの場合は「PolicyKit」をバックエンドに利用し、シームレスに統合できるという。

 アプリケーション周りでは、「GetHotNewStuff」のユーザーインターフェイスが大幅に改善された。ソーシャルセマンティック検索フレームワーク「Nepomuk」は安定性と性能が強化され、ファイルマネージャ「Dolphin」のデスクトップ検索統合で利用する。ブログアプリの「Blogilo」、統計ソフト「Cantor」などが新たに加わった。

 Linuxのほか、Windows版とMac版もある。KDEのソースコードとバイナリはダウンロードページより入手できる。

KDE
http://kde.org/

ダウンロードページ
http://download.kde.org/