NICTと京都大学、多言語コラボレーション支援ツールをOSS公開
情報通信研究機構(NICT)と京都大学の研究グループは2010年1月14日、多言語コミュニケーションのサービス基盤「言語グリッド」をCMS(コンテンツ管理システム)から利用できるようにする汎用ツールボックス「言語グリッドツールボックス」(Language Grid Toolbox)を発表した。利用現場に応じた多言語コラボレーション環境の実現が容易になるという。
言語グリッドは、世界中のさまざまな技術やデータを共有して、多言語によるサービスを実現するためのサービス基盤。インターネット上にある辞書や翻訳ソフトウェアなどの「言語資源」を活用して、ユーザーの要求に合ったコラボレーション支援ツールを開発できる。NICTと京都大学大学院情報学研究科が共同プロジェクトとして進めている。
言語グリッドツールボックスは、CMSの「XOOPS」に多言語モジュールを追加して、言語グリッドを利用する汎用的なツールにしたもので、ユーザが開発した多言語モジュールによるカスタマイズも可能。より低コストでユーザの要求にあったコラボレーション支援ツールを開発できるという。
これまでのCMSでは、多言語コンテンツの管理や表示が可能だったが、インターネット上の多言語サービスを組み合わせてコンテンツを多言語化する機能拡張は初めてという。また、ツールボックス基盤に加えて、多言語掲示板、多言語Webページ作成、多言語辞書作成、多言語テキスト翻訳の4つの汎用モジュールも公開する。
オープンソースで公開し、無償ダウンロードできる。ライセンスはGPLv2。言語グリッドが非商用利用に限られるため、ツールボックスの利用も非商用サービスのみとなる。
また、NICTはツールボックスサーバの無償ホスティングサービスも開始する。1月20日にツールボックスのデモ実験をNICTけいはんな研究所(京都府精華町)で実施する。
Language Grid Toolbox
http://langrid.nict.go.jp/langrid-toolbox-wiki/