TOPPERSプロジェクト、トレースログ可視化ツールをオープンソースで公開

 ITRON仕様準拠のオープンソース組み込みOSを開発するNPO法人TOPPERSプロジェクトは2009年11月18日、トレースログ可視化ツール「TraceLogVisualizer」(TLV)をオープンソースソフトとして公開した。さまざまな形式のリアルタイムOSやアプリケーションのトレースログをグラフィカルに表示できる。

 トレースログを抽象化した標準形式を規定。変換ルールと可視化ルールを外部から指示することで汎用性と拡張性を実現した。変換ルールを用意して、さまざまな形式のトレースログに対応する。また、ルールの書き換えによって可視化方法の変更が可能。可視化ルールはRubyなどの言語で記述できる。

 従来の組み込みソフト向けデバッグツールや統合開発環境付属のトレースログ可視化ツールは、取り扱うトレースログ形式が標準化されていないため特定のOSやデバッグツールでしか使えず、可視化できる情報の種類や方法の追加・変更も難しいという問題があったという。

 TLVは、TOPPERS/ASPカーネルおよびTOPPERS/FMPカーネルのトレースログを取得・可視化するための変換ルールファイルなどを標準で用意。動作環境はWindows XP/Vista/7(.NET Framework 3.5以降が必要)。名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター(NCES)が、TOPPERSプロジェクトの協力で開発した。

 ライセンスは、ソースコード非公開で商利用できるBSDライクな「TOPPERSライセンス」を採用。機器に組み込んで利用する場合は、TOPPERSプロジェクトに報告するだけで著作権表示も必要ない。

TraceLogVisualizer
http://www.toppers.jp/tlv.html

TOPPERSプロジェクト
http://www.toppers.jp/