IPA、IPAフォント新版をオープンソースライセンスで配布開始
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2009年4月20日、日本語文字フォント「IPAフォント」の新版「IPAフォントVer.3」の配布を開始した。新たにオープンソースライセンスを採用して、改変・再配布を可能にした。IPAのサイトからダウンロードできる。
「IPAフォント」は、画面表示と印刷の両方に利用できるアウトラインフォントで、2007年10月から一般向けに無償公開している。明朝体とゴシック体に、等幅とプロポーショナルの2種類の計4書体を用意。日本語文字コード規格「JIS X 0213:2004」に準拠した約1万1000文字を収録する。フォーマットはOpenType形式。
IPAは、派生フォントが乱立して文字への信頼性が低下するとの懸念から、これまで改変を認めていなかったが、新たに採用したオープンソースライセンス「IPAフォントライセンス Ver.1.0」で「改変の自由」と「文字への信頼性」を両立させたという。
同ライセンスでは、条件を付けることで再配布に対応。(1)オリジナルのフォントに戻せる方法の提供(2)Webなど誰もがアクセスできる方法での一般公開(3)さらに改変するための必要十分な情報の添付(4)IPAフォントライセンスの継承――の4条件を取り入れた。
同ライセンスは、OSI(Open Source Initiative)が定めるOSS定義「Open Source Definition(OSD)」に合致するライセンスとして、4月1日付でOSIの認定を取得している。なお、新ライセンスはVer.3のみに適用し、旧版IPAフォントは従来の利用条件のままとする。
今後は、IPAが提供する実証的な評価環境である「OSSオープン・ラボ」からフォント開発のためのツールを提供する予定。OSSライセンスの採用と開発環境の提供で、IPAフォントの開発体制もオープンな形にしていくという。