レッドハット、KVMを核とする仮想化戦略を発表

 レッドハットは3月12日、KVMを中核とする新しい仮想化戦略についての説明会を報道関係者向けに開催した。米Red Hatが2月23日(米国時間)に発表した内容(関連記事)を説明、補足するもので、仮想化製品のロードマップなどが示された。

 新しい仮想化戦略は昨年9月に買収した米QumranetのKVMとSolidICEをベースとするもの。KVMはLinuxカーネル自体をハイパーバイザ化するオープンソースのカーネルモジュールで、すでにLinuxカーネルコミュニティのソースツリーに統合されている。SolidICEはKVMをベースとするサーバ集約型のデスクトップ仮想化ソリューションで、仮想デスクトップの実行と管理を行う製品だ。

 レッドハットは、これらの技術を利用する以下の4製品を今後3~18カ月の間に投入する。

  • Red Hat Enterprise Linux:バージョン5.4(2009年後半)でKVMを統合
  • Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Servers:SolidICEベースのサーバ仮想化管理ツール
  • Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Desktops:SolidICEベースのデスクトップ仮想化管理ツール
  • Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor:KVM搭載RHELをハイパーバイザ向けにアレンジした製品。省メモリフットプリント(64MB)、SELinuxによるハイパーバイザ向けのセキュリティ強化

 現時点のSolidICEは、仮想マシンを実行する仮想デスクトップサーバ(Linux/KVMで動作)と管理サーバ(Windows/.NET Frameworkで動作)、およびWindows端末向けクライアント機能(IE/ActiveX)で構成されており、サポートゲストOSはWindowsのみとなっている。今後登場する製品では、LinuxゲストOSのサポートが追加されるが、管理サーバのLinuxへの移植や「Virtualization Manager for Desktops」でのLinux端末のサポートなどは検討段階とのことだ。

 なお、現在RHELに組み込まれているXenのサポートは、少なくとも2014年まで継続する。XenからKVMへの移行ツールの提供なども検討しているという。ちなみに、レッドハットは自社製品をすべてオープンソース化する戦略を採っており、SolidICE後継製品もその路線で検討が進められているが、現在はオープンソース化に必要な作業を見積もっている段階で時期は未定とのことである。

レッドハット
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