OpenSolarisベースの国産ディストリビューション「Jaris」が初の正式版へ

 OpenSolarisをベースとする日本発のディストリビューション「Jaris」(ヤリス)を開発するJarisプロジェクトは2009年3月10日、機能限定版「Jaris-1.0ベーシックバージョン」の正式版を同下旬に公開すると発表した。同ディストリビューション初の正式版で、これに続いて3月中にフル機能版のベータ版をリリースする予定。

 Jarisは、OpenSolarisのサーバ分野の機能をそのままに、クライアント向けなど個人用途の機能を拡充。日本のコンピューティング環境のニーズに適応させたディストリビューション。カーネルの独自カスタマイズによってOpenSolarisより起動も動作も速く、使いやすさを重視しているという。

 完全に日本語化してあり、独自に強化したWINEによって日本語Windowsアプリケーションをインストールして動作させることができる。ファイルシステムにはZFSを採用し、システムバックアップとリカバリが約2秒で完了するという。UNIX系OSの弱点であるプリンタ周りも強化。メーカー製ドライバを導入して設定自動化した。

 このほか、ネットブック用ドライバやE-Mobileドライバなど、モバイルPCにも対応。ライブDVDやライブUSBでの動作も可能。名称は「Japanese Solaris」の意味。

 1.0ベーシックバージョンは昨年10月にベータ版を公開しており、正式版に移行する。公開するフル機能版は「バージョン0.98」で、4月以降、評価を行い、正式版に移行したい考え。

Jarisプロジェクト
http://jaris.jp/