Stormy PetersがGNOME Foundationの執行役員に

 オープンソース技術の代名詞的存在の1人であるStormy Peters氏GNOME Foundationの執行役員に任命された。即座に発効する。

 GNOME Foundationは、LinuxとUnixベースのオペレーティングシステムにGNOMEデスクトップを載せ、普及させることに取り組んでいる。執行役員としてのPeters氏は、一般ユーザに対するGNOMEのマーケティングを担当するほか、GNOMEコミュニティを援助する新しい企業スポンサーや開発者を募ることにも責任を負う。Peters氏には企業やコミュニティメンバーとの太いパイプがあり、これが新しい仕事に大いに生かされることになる。「これまでも、コミュニティがどういう場所かを企業に説明し、企業がどう動くかをコミュニティメンバーに説明して、両者が効果的に協力できるようにしてきましたからね」と言う。

 Peters氏は、GNOME Foundation諮問委員会の創設メンバーの1人でもあり、GNOMEコミュニティには不案内ではない。しかも、Hewlett-Packard社在籍時には同社のオープンソース事業の指揮官として、また最近ではOpenLogic社のコミュニティマネージャとして、GNOME会議での基調講演などを通じ、デスクトップのあれこれを参加者に語りかけることでコミュニティに貢献してきた。OpenLogic社には、今後も顧問としてとどまることになっている。

 オープンソースモデルとその方法論のメリットを広く世間に知らしめるというのは、Peters氏が長年やってきたことである。OpenLogicブログの最近のエントリでも過去の経験に触れ、「オープンソースソフトウェアのビジネスサイドで働きはじめた当初は、古いコードのポイ捨てはいけないと、それだけをさんざん説きつづけたような気がします」と書いている。「死にかけているプロジェクトを管理していた人々は、そのプロジェクトでも何かができる――たとえわずかでも昔からのお客様に喜んでもらえる何かができる――と知って、とてもほっとしたのではないでしょうか」経験の積み重ねの中で、Petersは大昔のプロジェクトのコードをリサイクルすることの価値を思い知った、と言う。たとえば、HP社のTru64 UNIX Advanced File Systemも、最近、オープンソースコードとしてリリースされた。「古いプロジェクトにも、ときにとてもクールな技術が潜んでいて、オープンソース化すれば他のプロジェクトでも有効に利用できることがあります」

 新しい任務でも、やはりGNOMEのよさを世間に語りつづけるだけ、とPeters氏は言う。「マーケティングに注力するつもりです。GNOMEの価値をエンドユーザや業界スポンサーに知ってもらい、新旧スポンサーどうしの良好な関係を築き上げていきたいですね。GNOME Foundationには、ユーザベースの拡大や新規スポンサーの獲得について、いろいろなアイデアがあります。こうして雇われたからには、そのアイデアをできるだけ多く実行していきたいものです」

Tina Gaspersonは、1998年以来、フリーランスライターとして、業界で最も注目されているいくつかの刊行物に寄稿している。

Linux.com 原文