デジタル図書館:シェークスピアの初期印刷本75冊を無料公開
英オックスフォード大学は3月26日(米国時間)、17世紀までに出版されたシェークスピアの戯曲の初期印刷本をデジタル化し、オンラインで無料公開するプロジェクト「Shakespeare Quartos Archive」を発表した。英米の大学や図書館と協力して取り組む。4月にスタートし、1年かけてデジタル書庫を拡充する計画。
1641年以前に出版された75冊のクォート判(四つ折り判)が対象。異なる版のページ画像を並べての比較、全文テキスト検索、ページ画像へのメモ書き込みなど、研究者にとって便利な機能を提供する。まず「ハムレット」の32冊の版をデジタル化する予定。
シェークスピア関連資料で世界最大規模の蔵書を持つ米フォルジャー・シェークスピア図書館が原本を提供するほか、英国図書館、英エディンバラ大学図書館などが参加。英政府の情報システム合同委員会(JISC)は6万ポンド(約1200万円)を拠出する。
シェークスピアの戯曲は自筆原稿が残っていないため、初期の印刷本は、シェークスピアが実際に書いた文章や、当時上演されていた形態を知る重要な手がかりになる。しかし現存数が少なく、古く破損しやすいことから、これまで研究利用が難しかった。【高森 郁哉/Infostand】
オックスフォード大学の発表
http://www.ouls.ox.ac.uk/news/2008_mar_26