京大発ベンチャー、オープンソースCMSを開発・公開へ 農業分野向けから発展

 京都大学発のベンチャー、日本情報化農業研究所(本社:京都市)は、オープンソースCMS「SOY CMS」の正式版を2008年3月17日に公開する。「ITに不慣れな人にも分かりやすく簡単なCMSを目指して開発した」もので、従来の中小規模CMSでは分かりにくかったり、手間がかかった機能を容易に実現できるという。

 動作とデザインをほぼ完全に切り離すことで、テンプレート作成の手間を大幅に削減。デザイナーはデザインに専念できるという。また、ページ単位、記事単位の管理が可能で、静的サイト設計そのままのCMS導入や、新着情報の自動追加などができる。このほか、ほぼHTMLの形式のテンプレートであるため、デザイン性の高いサイトの構築が容易。直感的に利用できる「ダイナミック編集」機能で記事やCSSをプレビューから直接編集できるなどの特徴を備える。

 動作環境は、PHP5.2以降(モジュール版)とSQLite2、.htaccess、mod_rewriteが使用できるApacheサーバ(SQLite2以外のDBにもニーズがあれば対応する予定)。

 ライセンスはGPLv2と、改変後ソースコード公開義務のない有償ライセンスの2種類を用意した。有償ライセンスは5万2500円(サポート3インシデントまで無料)。また、別途サポートパックを提供する。月間3インシデントまで対応の「エントリーコース」が月額5万2500円、同10インシデントまで対応の「スタンダードコース」が同10万5000円。

 同社は、「京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」の支援で設立されたベンチャー企業。後継者不足問題の解決を目指して、農業分野向けナレッジと事業マネジメント関連ソフトなどを開発している。SOY CMSは、当初農業向けWebアプリケーションフレームワーク「SOY2」として自社開発したが、使い勝手に優れたものができたため、一般公開ソフトの「SOY CMS」として提供するという。【鴨沢 浅葱/Infostand】

日本情報化農業研究所
http://www.n-i-agroinformatics.com/

京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
http://www.vbl.kyoto-u.ac.jp/