Gmailはメールを超えた完璧な分類整理システム
ラベルの活用
まずは、ラベルについて。Gmailのラベルは電子メールを分類するためのツールだ。フォルダーのようなものだが、フォルダーより優れている。たとえば、Gmailのサイドバーにあるリンク「プロジェクトA」をクリックすると、フォルダーのように、「プロジェクトA」というラベルを付けた電子メールを一覧することができる。しかし、ラベルの場合、電子メールを物理的にコピーしなくても、1つの電子メールに複数のラベルを付けて立体的に分類することができる。こんな芸当はフォルダーにはできない。たとえば、「ロバートから」というラベルを「プロジェクトA」の電子メールの一つに付けたとしよう。すると、サイドバーにあるどちらのラベル・リンクをクリックしてもこの電子メールが表示されるのだ。これだけでも十分に便利だが、驚天動地というほどではない。しかし、このラベルにフィルターを組み合わせると、さらなる利便性が広がる。
フィルターを使って未済事項を抜き出す
Gmailには受信メール用フィルターが備えられており、特定のキーワード・件名・語句・日付・宛先や差出人の有無により、利用者が設定した基準に従って受信したメールにラベルを付けることができる(ほかの処理を行うことも可能)。フィルターを設定する際は、Gmailアーカイブ中の既存メッセージを使ってテストし基準を調整して精度を高める。十分な精度になったら、フィルターを既存の電子メールに適用する。また、今後受信する電子メールに適用するよう設定しておく。受信済みのメールにもフィルターを適用できるのは便利だ。思い立ったときにアーカイブを整理することができる。というのは、私のアーカイブは2GBもあり、電子メールの一つひとつに手作業でラベルを付けていかなくてはならないとしたら、おいそれとは手が出せない。しかし、Googleが一瞬にして整理してくれる。これでも十分に便利だと言う人もいるだろうが、私は不満だ。フィルターが電子メールにしか適用されないからだ。この制約を取り除くには、従来の「電子メール」という概念を拡張すればよい。
(送受信)箱の枠を超えて
電子メールは、通常、差出人と1つまたは複数の宛先を含み、一つのコンピューターの「送信箱」からほかのコンピューターの「受信箱」に送られるメッセージのことを指す。この定義を拡張し、Gmailで自分宛に送ったメッセージも電子メールに含めることにすれば、Gmailは日常業務に関するほとんどあらゆる情報を自動的に分類・保存する分類整理システムになる。たとえば、顧客との打ち合わせでメモをとったら、すぐにそれをGmail作成画面に入力し、新規電子メールの件名を「メモ:プロジェクトA」として自分宛に送信する(私が完全に注意散漫状態となり送信を忘れてしまったとしても、Gmailは自動的に「下書き」として保存してくれる)。もちろん、自分で自分宛に送った電子メールのうち件名に「メモ」とあるものにはラベル「資料」を割り当てるように、あらかじめフィルターを設定しておく。電話中に作ったメモも同じようにする。
すべてを電子メールに
週報を作成する時期になったらラベル「資料」の下を覗けばよい。そこには参照すべき打ち合わせや電話のメモがきちんと並んでいる。報告書をGmailで作って顧客に送付すれば、報告書はラベル「プロジェクトA」の下にメモと一緒にアーカイブされる。さらに、「ロバート宛」(フィルターに設定したすべての宛先とラベル)の下にもアーカイブされる。Gmailのプロジェクト・ファイルに保管できる情報はメモばかりではない。オンライン検索のリンクを収集分類することもできる。リンクを電子メールで自分宛に送るのだ。Gmailがその電子メールを私が設定したファイルターに従って分類しラベルを付けてくれる。もちろん、画像、表計算のシート、音声やビデオのファイルを電子メールに添付して自分宛に送ることもできる。ほとんどのファイルはヘルパー・アプリケーション付きのブラウザーで直接に、あるいはGoogleドキュメントで表示したり開いたりできる。着信した緊急の電子メールには星印も付けておく。毎朝星印の付いた電子メールをチェックすれば、その日の作業を適切に計画することができる。さらに、Googleカレンダーのメモを受信箱に送り、フィルターを使って分類しラベルを付けて保管しておけば、いつ誰と面会するかも簡単にわかる。
仕上げに、自分が使用するすべてのブラウザーでGmailをスタート・ページにしておく。こうすれば、接続して最初に目にするのは常に我が分類整理システムということになり、星印とラベルのチェックを忘れることがない。お陰で、書くべきこと、電話すべき相手、必要なファイルの所在はいつでも明確だ。すべてはGmailにある。
ITManagersJournal.com 原文