Intel、Mac用SDKをアップデートしLeopardに対応

 米国Intelは11月28日、Mac OS用ソフトウェア開発キット(SDK)をアップデートし、「Mac OS X Leopard(10.5)」に対応させたと発表した。これにより、Intelの45nm(ナノメートル)新プロセッサ「Penryn」もMacのアプリケーションをサポートできることになる。

 最新の「Intel Software Development Products for Mac OS X」には、C++コンパイラおよびFortranコンパイラのバージョン10.1が含まれる。Intelの製品エバンジェリストであるジェームズ・レインダース(James Reinders)氏によると、これらのコンパイラは、Appleが10月にリリースしたLeopardおよびその開発環境「Xcode 3.0」に最適化された。さらにライブラリも含まれており、Penrynプロセッサの特性を引き出せるよう改善されているという。

 Reinders氏は、今回のアップグレードがマルチコア・プロセッサの能力を生かすための機能向上だけでなく、Leopardへの対応も重要な点だと強調する。「Leopardに合わせて当社のツールも64ビットを完全サポートした。これまでのサポートも悪くなかったと思うが、LeopardのリリースとIntelツールのアップデートによって全体の完成度が高まり、今後はアプリケーション開発が容易になるだろう」(同氏)

 またReinders氏は、MacがIntel製チップを採用した際に、Mac用アプリケーションを容易に開発できるようなSDKを開発者向けに提供するようAppleがIntelに求めたことも明らかにした。

 「両社が手を組んだとき、AppleはC++およびFortranのコンパイラをツールに含めるよう当社に要請した。新しいプロセッサの能力を引き出すうえで、コンパイラやライブラリといった最も基本的なSDKを重要視するソフトウェア開発者が少なくないからだ。プロセッサが高機能になればなるほど、 Intelに対してもそういった基本ツールの提供を求める声が大きくなっている」(同氏)

 Intelの新しいマルチメディア拡張命令セット「SSE4」により、マルチメディア関連のパフォーマンスも高速化が図られた。SSE4は、今月初めにリリースされたPenrynプロセッサ・ファミリーと同時に紹介されている。

 Reinders 氏によると、今回のSDKのアップデートは、主にデュアルコア/クアッドコアのシステム向けにアプリケーションを最適化させることが目的で、コンパイラは Mac OS X用の自動並列化(autoparallelizing)機能やライブラリも備えているという。

 IntelがMac OS環境をフルサポートした意味は大きい。米国Gabriel Consultingのアナリスト、ダン・オールズ(Dan Olds)氏は、マルチコアのプロセッサに対応できるようSDKを強化した点を高く評価している。

 「(SDKのアップデートにより)既存のものを含め、Macアプリケーションをマルチスレッドなどで“現代化”し、Intelの現行あるいは将来リリースされるマルチコア・プロセッサの利点を最大限に生かすことができる。アプリケーションのほうがマルチコアのプロセッサに対応できなければ、たとえチップがアップグレードされてもパフォーマンスを高めることは難しい」(Olds氏)

 Mac OS用の各種ソフトウェア開発ツールは、IntelのWebサイトより評価版が無料でダウンロードできるようになっている。

(Sharon Gaudin/Computerworld オンライン米国版)

米国Intel
http://www.intel.com/