Oracle、BEA取締役会に「買収案返答期限は10月28日」と通告

 米国Oracleは10月23日、米国BEA Systemsの取締役会あてに書簡を送付し、Oracleが提示した総額67億ドルの買収案に対する返答を、10月28日午後5時までに行うよう促したことを明らかにした。

 なおOracleは、10月28日午後5時までに回答がなければ、今回の買収案を撤回するとしている。OracleによるとBEAの取締役会は、Oracleが10月9日に買収提案を行って以来、Oracleとの会合を拒否しているという。

 またOracleは、BEAのビジネス・プランニング担当バイスプレジデント、ビル・クライン氏が22日夜、BEAの取締役会を代表して、買収を拒否すると伝えてきたことも明らかにしている。BEAはOracleが提示した総額67億ドルの買収額は、過小評価だと不満を表明していた。

 Oracleは買収相手が“消耗”するような、長期戦となる買収が得意だ。しかし、同社社長のチャールズ・フィリップス氏は、「BEAの買収プロセスは長期化しない」との姿勢を明確にしている。

 BEAの買収に成功すれば、Oracleはアプリケーション・サーバ分野のライバルを吸収できることになる。しかし一部の観測筋は、買収によってOracleは、アプリケーション・サーバをはじめとするミドルウェア分野で製品の重複という問題を抱えることになると懸念している。

 米国Forrester Researchでアナリストを務めるレイ・ワング氏は、「BEAの取締役会が買収を拒否したとはいえ、OracleとBEAの戦いはまだ続いている。取締役会は(同社の)株主に対しても責任を負っている。株主が(BEA1株当たり17ドルという)金額設定を受け入れれば、Oracleは次なる一手を打ってくるかもしれない」と指摘する。

 ワング氏によると、Oracleがミドルウェア分野を本気で“支配”したいと考えているのであれば、BEAを手中に収めたいと切望するのは自然な流れだという。

 「WebサーバやESB(Enterprise Service Bus)製品などでは重複する製品もあるが、BEAにはOracleのポートフォリオの穴を埋める製品がある」(ワング氏)

(クリス・カナラクス/IDG News Service ボストン支局)

米国Oracle
http://www.oracle.com/
米国BEA Systems
http://www.bea.com/

提供:Computerworld.jp