NEC、世界最小クラスのデスクトップ型シンクライアント端末

 NECは10月15日、幅広いマルチメディア機能に対応し、社外からVPN(Virtual Private Network)を経由して安全に社内システムに接続できる、手のひらサイズのデスクトップ型シンクライアント端末「US110」と、既存システムにあわせてカスタマイズ可能なモバイルノート型シンクライアント端末「US60」を発売した。

 「US110」は、仮想PC・画面転送方式に対応するデスクトップ型シンクライアント端末。OSにWindows CEを搭載し、MPEG・WMV・Flash形式などの動画やIP電話、Web会議ソフトなど幅広いマルチメディア機能に対応するとともに、社外から企業内システムに安全に接続するVPN機能を搭載。これにより、社内ネットワークが接続されていない社外拠点や自宅でも、強固なセキュリティ環境の下で企業内サーバーにアクセスすることができる。ICカードリーダライターにも対応する。

 HDD、ファンレス、バッテリーレスのため、低消費電力と静音動作も実現。各種設定情報などをDHCP/FTPサーバーから自動で取得・アップデートできるほか、端末の設定情報はサーバー側で一括管理することができる。動画の再生は、圧縮されたままの動画データをサーバーからクライアントに転送することでネットワーク帯域を節約。ハードウェアデコーダで再生することでCPU負荷も軽減する。本体サイズは幅150×奥行き94×高さ30.4mm、重さは350g。キーボード、マウスが付属する。価格は4万9000円。北米、欧州、アジアパシフィック各国でも販売する。

 一方、「US60」は、12.1型TFTカラー液晶を備えた仮想PC・画面転送型対応モバイルノート型端末。「US50」の後継機で、OSにWindows XP Professionalを搭載し、従来はNECが顧客の既存システム環境に適用するために行っていたモバイル接続やVPNの環境などのカスタマイズを、顧客自身で自由に行える設計に改良した。無線LANにも対応する。本体サイズは幅268×奥行き217×高さ27.0-38.6mm、重さは993g。価格は19万9000円から。

 NECは「US110」を用いたテレワークの社内実証を実施しており、この活用実績をもとに、シンクライアントと「UNIVERGEテレワーク導入支援ソリューション」などを組み合わせ、導入コンサルティングからシステム構築・運用サービスまでのトータルソリューションを提供する予定。仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を中心とする「クライアント統合ソリューション」で、今後3年間で1500億円の売り上げを目指す。

NEC=http://www.nec.co.jp/
「US110」=http://www.express.nec.co.jp/products/thin/us100.html
「US60」=http://www.express.nec.co.jp/products/tc2/index.html

提供:BCN