Red Hatの2Q決算、RHELが好調で増収増益――日本でのビジネス拡大が好業績の要因

 米国Red Hatが9月25日に発表した2008会計年度第2四半期決算(2007年6月-8月期)によると、前四半期に引き続き「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」のサブスクリプション販売が好調で、売上高、純利益ともに2ケタ台の伸びを示した。

 同社の第2四半期の売上高は1億2,730万ドルで、前年同期の9,967万ドルから28%増加した。利益も同64%増の1,820万ドルで、一般会計原則に基づく修正の前の純利益は3,690万ドル(1株当たり9セント)だった。この数字は、Thomson Financialがまとめたアナリスト予測とほぼ一致している。

 Red Hatによると、第2四半期はサービスやトレーニングの売上げが伸びたものの、前四半期に引き続きサブスクリプションの売上げがそれらを上回った。サブスクリプションの売上高は1億917ドルで収入全体の86%を占めたのに対し、サービスおよびトレーニングの売上高は1,810万ドル(全体の14%)だった。

 Red Hatは報道機関向けの声明で、米国外、とりわけ日本でのビジネス拡大を好調な業績の要因として挙げている。同社は、日経マーケット・アクセスが今年4月に実施した調査の結果を引き合いに出し、顧客が将来取り引きしたいと考えているテクノロジー・ベンダーの項目で同社が1位になったことを強調した。

 同社エグゼクティブ・バイスプレジデント兼CFO(最高財務責任者)のチャーリー・ピータース氏は声明の中で、営業利益率や営業キャッシュ・フロー、営業実績も伸びており、これらの要因が国際的な事業展開において重要になっていると語っている。

 例えば、第2四半期の営業利益率は20.7%で、営業キャッシュ・フローは6,370万ドルだった(いずれも一般会計原則に基づく修正の前の値)。このうちキャッシュ・フローについては、前年同期に比べて43%、前四半期に比べて22%伸びている。

 Red Hatは第2四半期、RHELだけでなく、企業ユーザー向けのオープンソース・ソフトウェアも拡充した。オープンソースのアプリケーション・プラットフォーム「JBoss Enterprise Application Platform 4.2」や、「Eclipse」ベースの開発ランタイム/オープンソース・ツールセット「Red Hat Developer Studio」(ベータ版)がそれに当たる。

 同社はRHEL向けサードパーティ・アプリケーションのサポートにも力を入れている。第2四半期には、同OS上で動作確認されたアプリケーションの数は3,000種類を超えた。

 Red Hatの会長兼CEO、マシュー・ズーリック氏は電話会見で、包括的なサービスを提供するエンタープライズ・ソフトウェア・ベンダーへの脱皮に備え、事業体制を一部変更することを明らかにした。

 具体的には、同社は9月25日以降、インフラストラクチャ、ミドルウェア、オンライン・サービスという3つの事業部門に分かれる。そして、各部門にはゼネラル・マネジャーが配置され、彼らには部門の収益に基づいて報酬が支払われることになる。

 ゼネラル・マネジャーは製品マーケティングも統括することになっており、新たにマイケル・チェン氏がコーポレート・マーケティング担当バイスプレジデントに就任した。ズーリック氏によると、チェン氏は3年前から中国での事業の立ち上げに携わり、このほど米国へ戻ることになったという。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)

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提供:Computerworld.jp