Dell、低価格なiSCSIストレージを販売開始――iSCSIの急速な普及を背景に小中規模SAN構築ニーズに訴求

 Dellは9月11日、同社のストレージ製品群「PowerVault」シリーズの新モデルとして、小中規模のネットワーク環境に適したiSCSI対応ストレージ「PowerVault MD3000i」を販売開始した。価格は、752,850円(ストレージ・コントローラ1基、73GBのHDD 2基などを含んだ構成)からとなっている。

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小中規模のネットワーク向けのiSCSI対応ストレージ「PowerVault MD3000i」

 PowerVault MD3000iは、同社のエントリー・ストレージ「PowerVault MD3000」と同じ筺体を採用し、iSCSI接続に対応したネットワーク・ストレージ。1台の筺体に3.5インチのSAS HDDを15基まで搭載でき、最大容量は6TB(400GB×15基)となっている。また、筺体3台をディジー・チェーン接続するスケールアウト型の拡張が可能になっている。

 ストレージ・コントローラには、512MBのキャッシュとギガビット・イーサネット・ポートを2基搭載している。オプションで2基のコントローラを搭載でき、アクティブ/アクティブの冗長構成が可能になっている。加えて、電源や冷却ファンなどの主要コンポーネントも冗長化が図られている。

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PowerVault MD3000iの背面。ストレージ・コントローラを2基搭載した状態

 また、GUIベースで各種の設定や管理を行えるソフトウェア「MD Storage Manager」を標準添付している。WindowsとLinuxに対応し、ホストが同製品に対して入出力要求を行うためのiSCSIイニシエータ・ソフトウェアが無料で提供される。オプションで、スナップ・ショットおよびバーチャル・ディスク・コピーといった機能も用意されている。

 Dellのストレージ製品ラインには、PowerVaultのほかにEMCとの協業の下に提供する「Dell|EMC」ブランドの製品がある。同社は、より可用性や信頼性が求められる大規模ネットワークでのストレージ利用を検討するユーザーにはDell|EMCを提供し、低価格で手軽にSAN環境を構築したいというニーズに対しては、PowerVault MD3000iで応える。

 また、同社によれば、現在、iSCSIの急速な普及が見込まれており、その要因として、ギガビット以上のイーサネットの導入コストが低下傾向にあること、およびTCP/IP処理を高速化するTOE(TCP/IP Offload Engine)機能を搭載したNICの普及により、サーバ側のCPU負荷の軽減とI/Oのボトルネック解消が進んできたことが挙げられるという。

(Computerworld.jp)

Dell
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提供:Computerworld.jp