Dell、IP SANベンダーのEqualLogicを14億ドルで買収――iSCSIおよびストレージ仮想化技術を獲得
買収計画が明らかになる1週間前には、DellのCEOであるマイケル・デル氏が、SAN関連ベンダーを買収する可能性があると示唆していた。
2001年に設立されたEqualLogicは、iSCSI対応のストレージ・アプライアンス「PS」シリーズを販売している。同社は今年8月にIPO(新規株式公開)を申請したばかりだ。
Dellは、EqualLogicのiSCSIアプライアンスの技術を、ストレージ製品である「PowerVault」およびDell|EMCストレージ・アレイ関連ポートフォリオに加え、2007年5月-7月期に6億ドルを売り上げた事業の一部に組み込む意向だ(同四半期におけるサーバ事業総収入は16億ドル)。EqualLogic製品の商標変更についてはまだはっきりしないが、Dellがこれまで築いてきた大規模なチャネルを介して販売していく考えだという。Dellは、EMC経由でストレージ製品を大量に販売しており、2006年にはEMCの売掛金の10%に達している。
ストレージ事業担当ディレクターのマイク・アーターバリー氏は、「Dellのエンタープライズ・ポートフォリオにおけるIT簡素化および仮想化の推進という戦略にとって、今回の買収は重要な意味がある」と話している。
EqualLogic製品を採用した企業の多くは仮想化も導入している。EqualLogicをDellの製品ポートフォリオに追加することで、Dellは顧客のITシステムの簡素化/仮想化をより推進していく構えである。
エンタープライズ・ストラテジー・グループの上級アナリスト、スティーブ・デュプレッシー氏は、「EqualLogicはストレージと仮想化技術の統合において、多くの功績を残している。VMwareに低価格でストレージを販売するという同社の基本方針は評価に値する」と、EqualLogicを高く評価している。
EqualLogicの顧客には、法律事務所のディキンソン・ライトや英国在郷軍人会、バブソン大学などがある。
Dellは、最近になって消費者向けゲーム・ベンダーを買収したものの、過去に買収した企業の大部分はサービス企業だった。ちなみに、同社がEqualLogicの前にストレージ・ベンダーを買収したのは、1999年に3億4,800万ドルで買収したコンバージネットが最後だ。もっとも、コンバージネットの統合はうまくいかず、新製品は登場していない。
Dellによると、EqualLogicの買収は来年2月ごろまでに完了する見込みだという。
(デニ・コナー/Network World オンライン米国版)
米国Dell
http://www.dell.com/
EqualLogic
http://www.equallogic.com/
提供:Computerworld.jp