アメリカン航空、検索キーワードの販売中止求めGoogleを提訴――商標権を侵害する検索キーワードを無断で販売したと主張
アメリカン航空は、テキサス州フォートワース連邦地方裁判所に提出した訴状の中で、同社の競合会社がそうした商標を利用してGoogleのWebサイトに広告を表示させるのを中止するよう求めている。
Googleおよびアメリカン航空からは、この件に関するコメントはまだ得られていない。
訴状には、「Googleは、アメリカン航空の商標およびサービス・マーク、または同社が商標権を持つ単語やフレーズ、用語に酷似したものを『キーワード』として使用する権利を、アメリカン航空の承認もしくは許可なしに第三者に販売した。そして、Googleがスポンサー・リンクと称する有料広告を通常の検索結果の横に表示させた」と記されている。
訴状によると、アメリカン航空のフライトを調べようとするユーザーが、Googleの検索サイトで「American Airlines」という語句を検索したときに、競合航空会社のWebサイトや、アメリカン航空ならびにほかの航空会社のサービスを販売しているWebサイト、または航空サービスとは無関係のWebサイトが表示されることがあるという。
これは、特定のキーワードが検索された際に、自社サイトへのリンクをスポンサー・リンクに表示するよう企業がGoogleに依頼しているからだ。企業は、こうしたキーワードをGoogleから購入している。
しかしアメリカン航空は、「American Airlines」などのキーワードを販売する権利はGoogleにはないと主張。アメリカン航空の商標を他社に販売するのをGoogleに止めさせるよう、裁判所に訴えている。さらに同社は、Googleが同商標を販売して得た利益を返還し、相応の損害賠償を行うことも求めている。
アメリカン航空は法廷文書の中で、次のように述べている。
「当社は今回の訴訟を安易に提起したわけではない。実際のところ、Googleの検索エンジンが、インターネット上の情報を探すための強力かつきわめて有用な手段であることは認めている。とはいえ、Googleの検索エンジンは、アメリカン航空の商標を、有料広告を表示させるキーワードとして使用したり、有料広告の標題やテキストに含めたりすることで、第三者が消費者に誤解を与え、アメリカン航空およびその商標を不正流用するのを手助けしている」
サンタクララ大学法学部の助教授で、同大ハイテク法研究所の所長も務めるエリック・ゴールドマン氏は、ほかの企業もGoogleに対して同様の訴訟を起こしているが、おそらくアメリカン航空がそうした企業の中では最大規模だと、ブログに記している。
「アメリカン航空は、今回の問題を法廷で戦う価値があるものと判断し、多額の訴訟費用をつぎ込む覚悟を決めたようだ。だが、予想どおりの展開が待っているなら、苦戦を強いられる、コストの高い訴訟になると思われる。個人的には、今回の提訴はアメリカン航空にとって得策とは言えないと考えている」(ゴールドマン氏)
同氏はまた、アメリカン航空自身も他社の商標をキーワードとして購入したことがあるのではないかとの疑問を呈している。「アメリカン航空がそうした行為に一切手を染めていないとすれば、それは驚くべきことだ。Googleはそうした報復をするタイプの企業ではないが、もしも同社がアメリカン航空のキーワード広告を排除したら、いったいどうするつもりなのだろうか」
(リンダ・ローゼンクランス/Computerworld オンライン米国版)
米国アメリカン航空
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提供:Computerworld.jp