アジア諸国のアウトソーシング発注額、上半期はインドが最多で17億ドル――日本は12億ドルで2位に
インド企業のアウトソーシング・サービス発注額は17億ドルで、アジア太平洋諸国から発注された分の3分の1近くを占めている。2位は日本で、その額は12億ドルだった。
インドの場合、発注先はHPやIBMといった多国籍サービス企業が大半を占めている。アナリストらによると、インドのアウトソーサーは、米国や欧州ほど儲からないとの考えから国内市場に関心を示さない傾向が高いという。
インドのアウトソーシング需要は好景気に沸く同国のテレコム産業に端を発しており、これには総額で約13億ドルの大型契約が含まれている。ただ、同国企業のアウトソーシング・サービスへのニーズは非常に高く、「こうした大型契約が含まれなかったとしても、インドは発注額ランキングで3位以内に入っただろう」と、TPIのインド事業担当マネージング・ディレクター、シダート・パイ氏は報道陣に語った。
TPIの調査は、2,500万ドル以上のアウトソーシング契約を対象にしている。パイ氏は、「より低額の契約を含めれば、インドのアウトソーシング需要は17億ドルをはるかに超えているはずだ」と述べている。
TPIによると、5,000万ドル以上のアウトソーシング契約件数は今年上半期、全世界で25%減少した。総契約額も23%のマイナスになったという。
しかし、TPIのグローバル・アドバイザリ・サービス担当マネージング・ディレクターを務めるマーク・マヨ氏は、グローバルなアウトソーシング市場は着実に成長していると見ている。「契約額の規模が小さくなっているのは、企業が業務を1社だけに委託せず複数のサプライヤーに分けているからだ」(同氏)
一方、アウトソーサーを含むインド企業にとって新たなビジネス・チャンスとなりうるのは、TPIがKSO(ナレッジ・サービス・オフショアリング)と呼んでいる、高度なスキルを必要とする複雑な業務のオフショア・アウトソーシングだ。
「KSOは、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは異なる。ナレッジ業務はビジネスの中核にも関係するため、独立系のアウトソーサーではなく、多国籍企業の子会社に委託されるケースが多い」とパイ氏。またマヨ氏は、現在インドに向けられているKSO業務の大半は金融サービス産業からのものだと語っている。
(ジョン・リベイロ/IDG News Service バンガロール支局)
米国テクノロジー・パートナーズ・インターナショナル(TPI)
http://www.tpi.net/
提供:Computerworld.jp