Xandros、コラボレーション・ソフト開発のScalixを買収――Windowsとの相互運用を視野にLinuxスタックを拡充

 カナダのLinuxディストリビューター、Xandrosは7月19日、コラボレーション・ソフトウェアの開発ベンダーである米国Scalixを買収すると発表した。

 Linuxディストリビューション「Xandros」や運用管理ツール「BridgeWays」の開発元であるXandrosは、完全なLinuxスタックの開発という目標を達成するうえで、Scalixの買収は重要な意味を持つとしている。

 「当社は、ポイント・ソリューション・プレーヤーではなく、デスクトップやサーバ、アプリケーション、管理システムを網羅するエンド・ツー・エンドのソリューション・プロバイダーになる」と、XandrosのCEOでScalixの社長に就任したアンドレアス・タイパルドス氏は述べている。「すべてのパーツを集約すれば、(ユーザーは)断片的なセットを使わなくて済む」(同氏)

 Scalixの主力製品である「Scalix 11」は、Linuxサーバ上で稼働するオープンソースのコラボレーション・ソフトウェアで、POP3やIMAP、SMTP、MIMEなどの電子メール・プロトコルを採用しており、任意の標準LDAPディレクトリと連携する。また、Microsoftの「Exchange Server」との高い相互運用性も売りの1つである。

 Xandrosは今年3月、Scalix 11を「Xandros Server 2」にバンドルし、SMB(中小規模企業)市場に投入すると発表した。この協業を通じてエンジニアリングおよび幹部レベルで両社の協力関係が深まり、Scalixの買収に発展したと、タイパルドス氏は述べている。

 Xandrosによると、まずはScalixの管理機能を、LinuxとWindowsの両方をカバーするBridgeWaysに組み込むという。新しいBridgeWaysは今年下半期に出荷される予定だ。

 Xandrosは今年6月、LinuxとWindowsの相互運用を目的としたクロスパテント・ライセンス契約をMicrosoftと結んだが、これは両プラットフォームのサポートを提供するという同社の戦略にのっとったものだ。同契約には、両社の管理ツールとWindowsサーバの相互運用性の保証が含まれている。

 その一方でXandrosは、Scalixが現時点で対応しているXandros、Red Hat Linux、SUSE Linuxの各Linuxプラットフォームに対し、今後も“安全かつ同等”のサポートを提供し続けるとしている。また、Scalixが無料で提供している「Scalix Community Edition」についても、現行のサポート・プラットフォームで引き続き利用可能にすると述べている。

 なお、ScalixはXandrosの全額出資の子会社となる予定だが、同社のエンジニアリング/サポート・スタッフ全員、および販売サポート・スタッフの大部分はXandrosに吸収される見込みだ。Scalix幹部はXandrosに加わらず、ScalixのCEOであるグレン・ウィノカウアー氏だけがXandrosのアドバイザリ・ボードに名を連ねるという。

(ジョン・フォンタナ/Network World オンライン米国版)

Xandros(カナダ)
http://www.xandros.com/
Scalix(米国)
http://www.scalix.com/

提供:Computerworld.jp