Oracle、企業向けコンテンツ管理製品のロードマップを明らかに――12カ月以内に5製品をアップグレード
同社が12カ月以内に提供するとしている製品は、Webコンテンツから文書コンテンツまでを幅広く管理する「Universal Content Management」、企業の活動を記録し、コンプライアンス機能などを提供する「Universal Records Management」、ポリシー・ベースでセキュリティ?の管理を行う「Information Rights Management」、請求書や申請書の処理といったバックオフィス業務を自動化する「Imaging and Process Management」、同社の主力製品である「Oracle Databese 10g」の技術をベースにしたコンテンツ管理機能を提供する「Content Database Suite」の新版である。
このうち、Content Database Suiteを除く4製品は、いずれも昨年11月にOracleが買収したコンテンツ管理ベンダー、ステレントが開発したものだ。
Oracleの製品マーケティング担当シニア・ディレクター、グレッグ・クライダー氏は、同社がコンテンツ管理製品を包括的に提供することに取り組んでいると明らかにしたうえで、以下のように語った。
「多くの組織において、コンテンツ管理は基幹業務の一部になっている。法規制の順守、グローバル化への対応、競争力の強化といった各企業が抱える課題は、コンテンツを効果的に管理する能力と深くかかわっている」
同氏によると、Universal Content Managementは今後、同社のアプリケーション・サーバや、アイデンティティ管理ソフト「Oracle Secure Enterprise Search 10g」と統合される予定だという。なお、Universal Content ManagementはOracleのデータベースだけではなく、他社製のデータベース上でも稼働させることが可能だ。
一方、Content Database Suiteの新版には、各種の基本的なコンテンツ管理サービスが新たに搭載される予定だという。
また、同氏はUniversal Content Management、Universal Records Management、Imaging and Process Managementを包含したコンテンツ管理統合スイート、「Enterprise Content Management Suite」を発売する計画があることを明らかにした。
同スイートについてクライダー氏は、「これは、ステレントの技術をベースにした包括的な製品スイートだ。これを使えば、われわれが以前から提供していたコンテンツ管理サービスを、ファイル・サービス統合といった分野に適用できる」と語った。
ちなみにファイル・サービス統合とは、さまざまなサーバに分散している文書を1つのリポジトリにまとめ、容易にバックアップできるようにするための機能である。現在、ファイル・サービス統合は最も勢いのある分野として注目されている。
なおOracleでは、新版5製品およびコンテンツ管理統合スイートの詳細価格やリリース予定日などについては明らかにしていない。
今回の発表について、一部のアナリストは冷ややかに見ているようだ。
米国Gartnerのアナリスト、ケネス・チン氏は、「12カ月以内にリリースされるという“新版”は、基本的に製品の名前を変更するだけだろう。なぜなら、Oracleが旧ステレント製品に追加しようとしている機能は、副次的なものばかりだからだ」と指摘している。
(ジョン・ブロドキン/Network World オンライン米国版)
米国Oracle
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提供:Computerworld.jp