Intel、IDFで次世代プロセッサ「Penryn」の詳細を発表――ほかにも20を超える新技術を一挙公開

 米国Intelは4月16日、17日と18日に中国・北京市で開催される「Intel Developer Forum(IDF)Spring 2007」において発表を予定している新技術/製品の内容を明らかにした。

 今回のIDFでいちばん注目されているのは、線幅45nmプロセスで製造される「Penryn(開発コード名)」の詳細である。

 Penrynは、現行の「Core 2」シリーズ(「Core 2 Duo」と「Core 2 Quad」)の後継製品となるデスクトップPC向けプロセッサだ。45nmプロセスと「high-kメタルゲート」トランジスタを使用することで、リーク電流の削減と低消費電力を実現している。

 同社のデジタル・エンタープライズ・グループ・ゼネラル・マネジャー、パット・ゲルシンガー氏によると、Penryn(クロック周波数3.33GHz、FSB1,333MHz、キャッシュ12MB)と「Core2 Extreme QX6800」(クロック周波数2.93GHz、FSB1,066MHz、キャッシュ8MB)のパフォーマンスを比較した場合、画像処理関連が15%、 3Dレンダリング処理が25%、ゲーム・ソフトの実行速度が40%以上、ビデオのエンコーディング作業が40%以上も向上しているという。

 IDFが中国で開催されるのは、今回が初めてとなる。Intelの取締役副社長で、販売およびマーケティングの最高責任者でもあるショーン・マロニー氏は、IDFが中国で開催されることについて、「今回のIDFは、中国の専門家や社員と協力して製品開発を進めるうえで重要な一歩となる」とコメントした。

 Intelはこれまでに、同社の投資部門であるIntelキャピタルを介して2億ドルを中国のベンチャー企業に投資している。また今年3月には、大連市に25億ドル規模のチップ製造施設を建設し、同施設に中国人従業員6,000名以上を雇用する計画があることも明らかにしている。

 今回のIDFでは、Penrynのほかにも多くの新製品情報が明らかにされる予定だ。その1つが、サーバ向けハイエンド・マルチプロセッサ・プラットフォームの「Caneland(開発コード名)」である。

 Intelによると、Canelandは「Xeon 7300」シリーズとなり、消費電力80ワット(もしくは50ワット)のブレード・サーバ向け4コアおよびデュアルコア・チップが含まれるという。なお、Canelandの発売は2007年第3四半期に予定されている。

 また同社は、エンタープライズ・レベルのCPUプラットフォームをチップ1つぶんの大きさにまで縮小する「Tolopai」プロジェクトも明らかにした。

 同プロジェクトは、複数のコンポーネントを1つのプロセッサに統合した「System-on-Chips(SoC)」の開発を目的としている。これが実現すれば、チップのサイズは最大45%縮小され、電力消費量も標準的な4チップ・デザインと比較して20%も抑えることが可能になるという。

 さらに同社は、「Larrabee(開発コード名)」の開発計画も明らかにした。Larrabeeはハイパフォーマンス・コンピューティング向けのアーキテクチャである。同アーキテクチャを採用したシステムは、1秒当たりの浮動小数点演算(Floating Point Operations Per Second:FLOPS)が数兆回に達する「テラFLOPS」レベルで稼働するように設計されているという。

 マロニー氏はLarrabeeについて、「科学技術計算、データ・マイニング、金融分析、医療ケア分野などで利用されるアプリケーションの高速化に貢献するものと期待している」とコメントしたが、それ以上の詳細情報は公開しなかった。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

米国Intel
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提供:Computerworld.jp