Microsoft、Longhornの最終ベータ版を5月リリースへ――管理スクリプティング・ツール「PowerShell」などを新たに搭載

 米国Microsoftは先週、次期Windows Server(開発コード名:Longhorn)のCTP(Community Technology Preview)を公開した。同CTPは、今年5月にリリースされると見られる最終ベータ(Beta 3)のプレビュー版に当たり、正式版に近い内容となっている。

 現在、Longhornはベータ2の段階にある。今回のCTPは、ベータ3のリリースに先だち、4月4日にベータ・テスター向けのMicrosoft Connectサイトにポストされた。

 Windowsサーバ部門の上級製品マネジャー、ヘレン・ラブ・スネル氏は、同CTPについて、「ベータ3をいつリリースかを判断するためのもの」と語っている。同氏によると、今回のCTPはベータ3と機能的に同等の内容になっているという。

 今のところ、同氏はベータ3のリリース時期について、「今年上半期」と述べるにとどめている。しかし、Longhornの正式出荷が今年下半期に予定されていること、Longhornをメイン・テーマとしたコンファレンス「WinHec」が5月15日に開幕することを考えると、ベータ3のリリースは5月とみるのが妥当だろう。

 Microsoftは、Longhornベータ3の配布対象をベータ2よりも増やす計画だ。昨年5月にリリースされたLonghornベータ2の配布ユーザー数は50万人だった。

 Longhornベータ3でのトピックの1つは、PowerShellの搭載である。PowerShellは、Windows環境を容易に管理できるようにする目的で開発された、IT管理者向けのコマンドライン・インタフェース/スクリプティング環境だ。PowerShellは、Microsoftの管理ソフトウェア群「System Center」とも連携するよう設計されている。

 また、ベータ3にはTerminal Services Gatewayも搭載されることになっている。これは、複数の仮想サーバを導入し、そのうえでWindows Vistaを稼働させるという使い方に対応する機能である。

 残念なのは、ハイパーバイザ仮想化技術(開発コード名:Viridian)がLonghornの正式リリースに間に合わないことだ。Microsoftでは、 Longhornの出荷後180日以内にViridianをリリースするとしている。また、アイデンティティ管理基盤の中心となるミドルウェア技術「Security Token Service」もLonghorn出荷後に投入される予定だ。

 Microsoftによると、Longhornの主な特徴は、Windowsカーネルを構成するServer Coreと、DNSやDHCPといった一連のインフラストラクチャ・サービスにある。

 Server Coreは、モジュラ設計を採用しており、必要なOSコンポーネントだけを導入できるようになっている。例えば、コマンドライン・プロンプトで管理可能なServer Coreだけをインストールしたり、他のサーバに追加したりすることができる。今回のCTPに搭載されているServer Coreは、Server Coreロールとして、Print ServerとActive Directory Lightweight Directory Servicesをサポートしている。

 なお、今回のCTPには、Standard、Enterprise、DataCenterといったエディションが用意されている。Microsoftによると、Itaniumベースのシステムについては、別バージョンで対応するという。

(ジョン・フォンタナ/Network World オンライン米国版)

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提供:Computerworld.jp