Dell、中国で低価格PCをリリース――Linux OS搭載モデルも同時発表

 中国市場でのシェア拡大をねらう米国Dellは3月21日、同市場向けの低価格PC「Dell EC280」を発売した。価格は2,599人民元(336ドル)~3,999人民元(517ドル)となっている。

 Dell EC280はOSにWindows XP Home Editionを採用し、IntelのCeleronプロセッサ(1.2GHz)を搭載する。メイン・メモリは256MBから512MBまで拡張可能で、ハードディスク・ドライブは40Gと80Gから、モニタは15インチ/17インチのLCD、または17インチのCRTから選択できる。また、オプションでCD-ROM、もしくはDVD-ROMドライブを搭載することも可能だ。

 ただし、最小構成価格の2,599人民元モデルは、1ユーザーが一度に購入できる台数が5台までと制限されている。

 今回の発表は、途上国でのビジネスを活性化するというDellの戦略に基づいたものだ。同社のCEOであるマイケル・デル氏は、「われわれの中国でのビジネスは、より強固になっている。中国市場における昨年度の決算は、売上高が前年比26%も増加した」とコメントし、今後も中国市場に注力していく姿勢を明らかにした。

 また、同社はEC280よりも若干高価となる「Dell Dimension C51-n」も同時に発表した。Dimension C51-nのOSにはLinuxを採用し、AMDの「Athlon64 3200」プロセッサを搭載する予定だ。ただし、Linux OSのどのディストリビューションを採用するのかは明らかにされていない。Dellの広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 Windows Vistaが一般向けにリリースされてから約2カ月が経過したが、Windows Vista非搭載の低価格PCが販売されることは、中国では珍しくない。同国のトップPCベンダーであるLenovoも、最も安価なPCにはWindows XP Home Editionを採用している。

 DellやLenovoの中国市場向けWebサイトを見ると、低コストPCの概要には「Windows Vista Home Premium推奨」と明記されているが、今のところ、両社のPCにWindows Vistaは搭載されていない。

 Lenovoの広報担当者によると、同社が中国で販売している最も低価格なデスクトップPCは「Jiayue」シリーズであり、価格は3,999人民元~5,999人民元だという。5,999人民元のモデルでは、DellのDimension C51と同様にAMDプロセッサを利用するなど、両者の仕様は似ている。ただし、Lenovoが採用しているOSはLinuxではなくWindows XPだ。

 ちなみに、LenovoのCEOを務めるウィリアム・アメリオ氏は、以前Dellのアジア太平洋地域責任者だった人物である。アメリオ氏は昨年末、「今後、Lenovoはブラジルやロシア、インド、中国といった新興市場をターゲットにしていく」と、同社の戦略を語っている。

(ダン・ニーステット/IDG News Service 台北支局)

米国Dell
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提供:Computerworld.jp