2006年の世界ディスク・ストレージ市場、IBMがHPを抜いて2位に浮上

 米国ガートナーは3月6日、2006年の外部コントローラ・ベース(ECB)ディスク・ストレージの世界市場調査リポートを発表した。それによると、 IBMは、売上高で業界最大手のEMCには及ばなかったものの、売上市場シェアでヒューレット・パッカード(HP)を抜いて2位に浮上した。

 IBMの売上市場シェアは、2005年の14.5%から2006年には15.8%に上昇したが、逆にHPのシェアは14.7%から13.1%に落ち込んだ。HPは5年前までストレージ市場シェアでIBMを15ポイント上回っていた。一方、売上高1位のEMCは、市場シェアを2005年の23.4%から24.8%に伸ばした。

 IBMのストレージ担当ゼネラル・マネジャーを務めるアンディ・モンショー氏は、シェア拡大について、製品ラインの刷新、販売体制の強化、中小規模企業向け市場での販売増が牽引したと説明している。

 一方、HPの会長でCEO兼社長のマーク・ハード氏は、2月20日付けの四半期決算報告書の中で、ストレージ営業部隊を増員する必要があるとし、ストレージ売上げの不振については、「十分な数の顧客に対応できていないだけだ」と強調している。

 HPによると、第1四半期(1月31日締め)のストレージ売上げ全体の成長率は3%にとどまったものの、「EVA」ディスク・ストレージ製品ラインは第1四半期に18%の成長を記録したという。

 なお、上位3社以外の市場シェアは、日立データ・システムズが9.6%、デルが7.6%、ネットワーク・アプライアンスが7.2%、サン・マイクロシステムズが6.1%となっている。

 ガートナーは、2006年のストレージ市場について、上位プレーヤーによる寡占化がますます進み、ベンダーのM&A、効果的なマーケティング、チャネル協力が成長を牽引したと分析する。ストレージ・ベンダー上位7社の市場シェアは2005年の81.5%から84.2%に拡大している。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)

米国ガートナー http://www.gartner.com/

提供:Computerworld.jp