日本オラクル、インメモリ・データベースの新版「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」を発表――Oracle DBとの互換性やキャッシュ機能を強化

 日本オラクルは3月7日、インメモリ・データベースの新製品「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」(以下、TimesTen 7)」の出荷を4月3日に開始すると発表した。

 インメモリ・データベースはメモリ上にデータベースを構築するタイプの製品で、通常のデータベースよりも処理が高速なことが特徴。組み込み機器の内蔵データベースや高いリアルタイム性が要求される大規模データベースのキャッシュ・システムが主な適用分野となっている。

 TimesTenはもともと米TimesTenが開発した製品だが、2005年6月の米TimesTen買収後、オラクルの製品となっている。今回発表されたTimesTen 7は、オラクル社内で開発された最初のバージョンとなる。

 新バージョンでは、Oracle Database 10g(以下、Oracle DB)との互換性の向上やキャッシュ機能の強化が図られている。Oracle DBとの互換性の向上には、以下のような改善が含まれる。

●Oracle拡張SQLのサポート

  • Oracleの独自拡張SQL関数(DECODEやROWNUMなど)への対応
  • 最大列数をOracle DBと同じ1000に拡張
  • MERGEコマンド(Oracle DB 10gで追加されたコマンド)のサポート

●Oracleデータ型動作の一致

  • Oracle DBの独自データ型(NUMBERやVARCHAR2など)のサポート
  • DATEやTIMESTAMP、CHARなどのデータ型の挙動をOracle DBに合わせて変更

●多言語サポート

  • Oracle DBのNLS(National Language Support )機能の取り込み
  • 50以上の言語をサポート、80以上の言語ソートをサポート
  • アプリケーション/データベース間のコード変換のサポート

 一方、キャッシュ機能の強化は、TimesTenのオプション製品「Cache Connect to Oracle」に加えられたもの。これはTimesTenをOracle DBのキャッシュ・データベースとして利用するためのオプションで、新版では「Automatic Load on SELECT」と「Automatic Data Aging」といった機能が追加されている。「Automatic Load on SELECT」は、TimesTenのキャッシュに該当データがない場合に自動的にOracle DBからデータを取得する機能、「Automatic Data Aging」は、TimesTenのキャッシュ上で古くなったデータを削除もしくはOracle DBに書き戻す機能だ。

 TimesTen 7の対応OSは、Linux、Windows、Solaris、HP-UX、AIX。価格は、データストアサイズ(メモリ上に構築されるデータベースのサイズ)が2GB以下の場合で150万円/プロセッサ(税別)より。Cache Connect to Oracleオプションの価格は、データストアサイズ2GB以下で75万円/プロセッサ(税別)より。プロセッサ当たりの単価はデータストアサイズに応じて変動する。また、プロセッサ数の算定には、Oracle DB Enterprise Editionと同じ「物理CPUコア数×CPU種別ごとの係数」という方式が適用される。例えば、クアッドコア(4コア)のIntel Xeonを1個搭載するシステムの場合、CPU種別ごとの係数が0.5なので、4×0.5で2プロセッサ分のライセンスが必要になる。

日本オラクル
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