サン、NetBeans対応のRubyプラグインをリリース--RubyインタープリタのJava実装「JRuby」もサポート

 米国サン・マイクロシステムズの幹部は3月1日、オープンソースのJava対応統合開発環境「NetBeans IDE」において、スクリプト言語のRubyと、Java仮想マシン上で動作するRubyインタープリタのJava実装「JRuby」を利用できるようにしたことを明らかにした。

 NetBeans IDEでのRubyサポートは、プラグイン・ソフト「NetBeans Ruby Pack」の形で実装される。同プラグインは、3月1日時点では早期アクセス版という位置づけだ。

 サンの幹部によると、一般的にRuby開発者はIDE(統合開発環境)を使用していないという。しかし、同社のシニア・スタッフ・エンジニアであるトー・ノーバイ氏は、「今回の機能強化で、Rubyベースのソフトウェア開発環境が整った」と語り、今後はRuby開発者がIDEを積極的に利用するとの見通しを明らかにした。

 サンは、昨年からRubyの人気に注目してきた。実際、昨年9月にはJRubyの中心的な開発者であるチャールズ・ナッター氏とトーマス・エネボー氏を社員として迎え、Rubyの開発に注力している。

 レッドモンクの主席アナリスト、ジェームズ・ガバナー氏は、このようなサンの姿勢について、「Java一辺倒だったサンが、今いちばん“ホット”なスクリプト言語であるRubyに対応することで、Java中心の考え方から脱却しようとしている。これは同社にとって大きな変化だ」と指摘する。

 またガバナー氏は、人気の高いスクリプト言語であるPHPについても、サンは将来サポートする可能性があると述べた。

 NetBeans Ruby PackをNetBeans IDEにインストールすると、コード補完機能やRuby APIの検索機能が利用できるようになる。また同プラグインは、パラメータや使われていないローカル変数をハイライト表示する構文解析機能もサポートしている。

 なお、NetBeans Ruby Packに搭載されているこれらの機能は、Webフレームワークの「Ruby on Rails」にも対応している。ノーバイ氏は、「このプラグインを利用することで、Ruby on Railsアプリケーションの開発が効率的に実行できるようになるだろう」と語った。

 NetBeans Ruby Packの早期アクセス版は、「NetBeans 6 Milestone 7」に対応している。NetBeans 6 Milestone 7は、NetBeans.orgからダウンロードが可能。なお、今年11月にリリース予定の「NetBeans 6.0」(正式版)には、NetBeans Ruby Packがバンドルされる予定だ。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

米国サン・マイクロシステムズ http://www.sun.com/

提供:Computerworld.jp